【保存版】見た目そっくりなのに使い方が違う!英語のややこしい類義語8選

英語学習をしていると、「意味はなんとなくわかるけど、どっちの単語を使えばいいのか迷う……」という場面に出くわすことがありますよね。

特にやっかいなのが、語尾や見た目がそっくりな単語同士
たとえば「malign」と「malignant」。どちらも「悪そう」な雰囲気ですが、実際には使われる場面も文法もまったく違います

この記事では、そんな「見た目は似ているけど意味や使い方が異なる英語の類義語ペア」を厳選してご紹介します。
それぞれの違いを、

  • 意味の違い
  • よく使われるコロケーション(語の組み合わせ)
  • 冠詞(a / the / 無冠詞)の使い方(意外と冠詞の使い方の特徴で覚えられるかも)

といった観点から整理しています。

「語感の違い」まで理解したい中級〜上級の英語学習者の方に、ぜひ活用していただきたい内容です。

Table of Contents

malign / malignant

意味はどちらも「悪意」「有害」——でも使い方が全然違う!

「malign」と「malignant」は、見た目も意味もよく似た単語ですが、使われる文脈と文法的な役割がまったく異なります

意味と使い方の違い

単語品詞意味主な使われ方
malign形容詞/動詞有害な、中傷する政治・評論・宗教・文学などの文語的な表現
malignant形容詞悪性の、悪意ある医学(特に「悪性腫瘍」)、あるいは比喩的表現
  • malign は、「意図的に中傷する」「悪意を持って害を与える」といった文脈で使われ、評論文やニュース、スピーチなどでよく登場します。
  • malignant は、医学用語(悪性腫瘍)として最も多く使われますが、比喩的に「根深く、制御不能な悪」を表すときにも使われます。

よく使われるコロケーションと例文

▶︎ malign

  • a malign intent(悪意のある意図)
    The journalist exposed a malign intent behind the policy.
  • a malign influence(有害な影響)
    He was considered a malign influence on the younger members.

▶︎ malignant

  • a malignant tumor(悪性腫瘍)
    The patient was diagnosed with a malignant tumor in the lung.
  • malignant cells(悪性細胞)
    The biopsy revealed the presence of malignant cells.

冠詞のポイント

フレーズ解説
a malign intent「intent」は可算名詞なので a が必要。単数の“意図”を表すときに使う。
a malignant tumor「tumor」も可算名詞なので a が必要。定冠詞「the」を使うときは既出の腫瘍に限定される。
malignant cells「cells」は可算名詞の複数形なので、無冠詞が自然。
a malign influence「influence」は可算にも不可算にもなるが、この場合は具体的な“影響源”としての a

ひとことまとめ

「malign」は中傷的で知的な批判語
「malignant」は医学用語として定着している“悪性”の代名詞

どちらも「悪そう」に見えますが、文体・分野・語感がまったく異なるので、しっかり使い分けたいですね。

economic / economical

経済? 節約? 見た目は似てるけど意味は大違い!

「economic」と「economical」は語源も似ていて、見た目もそっくり。
でも実際は、使われる文脈も意味もまったく別物です。

意味と使い方の違い

単語品詞意味主な使われ方
economic形容詞経済に関する経済学、国の経済状況、政策、ニュース記事など
economical形容詞節約的、コスト効率が良い日常生活、製品、ライフスタイルに関する文脈
  • economic は、「経済成長」「経済政策」など、マクロ経済や経済学的観点で使われます。
  • economical は、「燃費が良い」「節約になる」といった意味で、消費者目線の実用的な使い方をします。

よく使われるコロケーションと例文

▶︎ economic

  • economic growth(経済成長)
    The country has enjoyed steady economic growth over the past decade.
  • economic policy(経済政策)
    The new government introduced bold economic policies to combat inflation.

▶︎ economical

  • an economical car(燃費の良い車)
    This hybrid model is one of the most economical cars on the market.
  • an economical lifestyle(節約志向の生活)
    After retiring, they adopted a more economical lifestyle.

冠詞のポイント

フレーズ解説
economic growth「growth」は不可算名詞 → 冠詞なしが自然(ただし限定すれば「the」も可)。
economic policy「policy」は可算名詞 → 冠詞が必要(例:an economic policy / the economic policy)。
an economical car「car」は可算名詞 → an が必要(母音で始まる語なので “an”)。
an economical lifestyle「lifestyle」も可算名詞 → an が必要。

ひとことまとめ

economic は「経済」に関する専門的な文脈、
economical は「節約・効率」に関する実生活の文脈で使われます。

つまり、「燃費のいい車」は economical car、「国の経済成長」は economic growth
語感も使い道も違うので、どちらを使うか迷わないようにしたいですね。

historic / historical

どちらも「歴史的」だけど、“歴史に残る”と“歴史に関係する”では大違い!

「historic」と「historical」は見た目がほぼ同じで、意味も辞書では「歴史的」と訳されがち。
でも実際は、使われる場面やニュアンスに大きな違いがあります。

意味と使い方の違い

単語品詞意味主な使われ方
historic形容詞歴史に残るほど重要な重大な出来事、記念すべき瞬間、偉業など
historical形容詞歴史に関係する歴史研究、文献、過去の出来事の記述など
  • historic は、後世に語り継がれるような“決定的な瞬間”を指すときに使います。
     例:a historic speech(歴史に残る演説)
  • historical は、「過去に関連する・歴史と関係のある」事物を指す、より客観的で中立的な表現です。
     例:historical documents(歴史資料)

よく使われるコロケーションと例文

▶︎ historic

  • a historic moment(歴史的瞬間)
    The signing of the treaty was a historic moment in world politics.
  • a historic speech(記憶に残る演説)
    The president gave a historic speech that changed public sentiment.

▶︎ historical

  • historical documents(歴史的資料)
    Researchers analyzed historical documents from the 17th century.
  • historical context(歴史的背景)
    Understanding the historical context is crucial for interpreting this novel.

冠詞のポイント

フレーズ解説
a historic moment / speech「moment」「speech」はどちらも可算名詞a が必要。特定の重大な出来事を1つ指す。
historical documents「documents」は複数形の可算名詞無冠詞で使うのが自然(必要に応じて the も可)。
historical context「context」は不可算名詞 or 単数可算名詞 → 一般的な話なら無冠詞、特定の場合は「the」。

ひとことまとめ

historic は「記念碑的」「歴史を動かす」
historical は「歴史に関連する」「過去に関する」

たとえば、「歴史に残る試合」は a historic match
「歴史に基づいた小説」は a historical novel

使い分けを間違えると、誤解や違和感のある表現になってしまうので要注意です。

politic / political

「政治的」と訳せばどっちも正解? 実は意味も使い方も大きく違います。

「politic」と「political」は、どちらも語源的には「政治(politics)」から来ており、見た目もそっくり。
ですが、意味・語調・使用頻度に明確な違いがあります。

意味と使い方の違い

単語品詞意味主な使われ方
politic形容詞賢明な、思慮深い(特に人間関係や判断において)フォーマル・文語・外交的判断など
political形容詞政治に関する日常語・ニュース・制度・政党など広範囲
  • politic は「思慮深く、状況をうまく立ち回る賢さ」を意味し、やや文語・古風な響きがあります。
     例:a politic move(賢明な手段)
  • political は「政治に関する」という意味で、政策、政党、選挙、思想など、非常に幅広い文脈で使われる日常語です。

よく使われるコロケーションと例文

▶︎ politic

  • a politic move(賢明な一手)
    It was a politic move to delay the announcement until after the vote.
  • a politic response(思慮深い対応)
    He gave a politic response that avoided direct criticism.

▶︎ political

  • a political party(政党)
    She belongs to a political party that advocates environmental reform.
  • political power(政治権力)
    The revolution shifted political power from the elite to the people.

冠詞のポイント

フレーズ解説
a politic move / response「move」「response」はどちらも可算名詞a が必要。特定の行動や返答を1つ指す。
a political party「party」は可算名詞 → 通常は「a」または「the」がつく。複数形なら無冠詞でOK。
political power「power」は不可算名詞として使われることが多い → 無冠詞が自然。特定するなら「the」。

ひとことまとめ

politic は「賢明で慎重な判断」のこと。フォーマルでやや古風な響き。
political は「政治に関係する」日常語。制度や思想、行動全般に広く使われる。

たとえば、「賢明な対応をした」は a politic response
「政治的な主張をする人」は a political activist

意味が似ていても、語感と場面がまったく異なるので、文脈に合った選択が大切です。

classic / classical

どちらも「古くて価値がある」けど、“定番”と“古典”は違うんです。

「classic」と「classical」はどちらも「古くて価値のあるもの」に関連する単語ですが、実は意味の焦点も使われる場面も異なります

意味と使い方の違い

単語品詞意味主な使われ方
classic形容詞/名詞定番の、名作の、模範的な小説、映画、名言、例など
classical形容詞古典的な、伝統的な音楽、建築、学問、ギリシャ・ローマ文化など
  • classic は、「今でも価値があり、模範とされる作品・事例・言葉」などに使われます。
     例:a classic novel(名作小説)
  • classical は、「古代ギリシャ・ローマの伝統に基づく古典的な様式」や、「伝統的な芸術・音楽・学問」などを指します。
     例:classical music(クラシック音楽)

よく使われるコロケーションと例文

▶︎ classic

  • a classic novel(名作小説)
    “To Kill a Mockingbird” is considered a classic novel in American literature.
  • a classic example(典型例)
    This is a classic example of overengineering.

▶︎ classical

  • classical music(クラシック音楽)
    He prefers classical music to pop.
  • classical architecture(古典建築)
    The building features elements of classical architecture.

冠詞のポイント

フレーズ解説
a classic novel / example「novel」「example」は可算名詞a が必要。どちらも1つの具体的な対象を指す。
classical music / architectureどちらも不可算名詞 → 通常は無冠詞で使う。限定したいときは「the」も可。

ひとことまとめ

classic は「今でも評価される定番・名作」
classical は「歴史的伝統に基づく古典様式」

たとえば、「名作映画」は a classic film
「クラシック音楽」は classical music

同じ“古い価値”を表していても、どこに価値を置いているかが全く違うんですね。

childish / childlike

どちらも「子どもっぽい」——でも、褒め言葉になるのはどっち?

「childish」と「childlike」は、どちらも「子ども」を連想させる形容詞ですが、意味のニュアンスは正反対
使い方を間違えると、意図せず相手をけなしてしまうこともあるので要注意です。

意味と使い方の違い

単語品詞意味主な使われ方
childish形容詞幼稚な、未熟な(ネガティブ)怒り方、言動、議論など
childlike形容詞無邪気な、純真な(ポジティブ)感情、驚き、好奇心など
  • childish は「大人として未熟、感情的で理性に欠ける」ことを表すネガティブな語。
  • childlike は「純粋で素直、無垢な魅力がある」ことを表すポジティブな語です。

よく使われるコロケーションと例文

▶︎ childish

  • childish behavior(幼稚なふるまい)
    His childish behavior embarrassed everyone at the meeting.
  • a childish argument(くだらない言い争い)
    They had a childish argument over who gets the last cookie.

▶︎ childlike

  • childlike wonder(子どものような驚き)
    She looked at the stars with childlike wonder.
  • childlike innocence(純真さ)
    He spoke with a childlike innocence that was disarming.

冠詞のポイント

フレーズ解説
childish behavior「behavior」は不可算名詞 → 通常は無冠詞でOK(the や such を付けることも可)。
a childish argument「argument」は可算名詞a が必要。1つの言い争いを指す。
childlike wonder / innocenceどちらも不可算名詞 → 無冠詞で自然(限定するときは the も可)。

ひとことまとめ

childish は「ネガティブ」な子どもっぽさ。
childlike は「ポジティブ」な純粋さ。

たとえば、「子どもみたいに怒るな」は Don’t be so childish.
「子どものような好奇心を持ち続けたい」は I want to keep my childlike curiosity.

同じ“子どもらしさ”でも、相手に与える印象が真逆になる面白いペアです。

sensual / sensuous

“官能的”には二通りある——欲望を刺激するか、美を味わうか。

「sensual」と「sensuous」はどちらも「感覚」に関わる言葉ですが、
刺激する対象や含まれるニュアンスに違いがあります。

意味と使い方の違い

単語品詞意味主な使われ方
sensual形容詞官能的な、肉体的快楽に関する肉体的欲望、性的な魅力、刺激的な行動など
sensuous形容詞感覚的な、美を喜ばせる美術、音楽、自然、食べ物などの美的体験
  • sensual は「欲望・本能を刺激する」強い感覚に関連し、しばしば性的な文脈を持ちます。
  • sensuous は「視覚・聴覚・触覚などの美しい感覚」に焦点を当てた、中立~ポジティブな語調です。

よく使われるコロケーションと例文

▶︎ sensual

  • sensual pleasure(肉体的快楽)
    The novel was filled with descriptions of sensual pleasure.
  • sensual lips(官能的な唇)
    The advertisement featured a model with full, sensual lips.

▶︎ sensuous

  • sensuous beauty(感覚的な美)
    The painting captures the sensuous beauty of the human form.
  • sensuous textures(心地よい触感)
    The designer used sensuous textures like silk and velvet.

冠詞のポイント

フレーズ解説
sensual pleasure「pleasure」は不可算名詞 → 通常は無冠詞、限定する場合は「the」「a kind of」など。
sensual lips「lips」は複数形の可算名詞 → 通常は無冠詞(ただし特定時は「the」も可)。
sensuous beauty / textures「beauty」は不可算、「textures」は可算の複数形 → 基本は無冠詞で使用される。

ひとことまとめ

sensual は「本能・快楽・欲望」を刺激する。
sensuous は「美しさ・感覚の心地よさ」を味わう。

たとえば、「官能的な魅力のある俳優」は a sensual actor
「官能的な音楽体験」は a sensuous musical experience

似ているようで、快楽の“種類”がまったく異なるのがこのペアの特徴です。

momentary / momentous

“瞬間的”と“重大な”——時間は短いのに、意味は重い?

「momentary」と「momentous」は、どちらも「moment(瞬間)」という語源を持ちながら、
意味は正反対ともいえるほど違います
英語学習者には混乱しやすい組み合わせです。

意味と使い方の違い

単語品詞意味主な使われ方
momentary形容詞一瞬の、つかの間の停止、感情、沈黙、混乱など短い出来事
momentous形容詞重大な、非常に重要な決断、出来事、発表、変化など歴史的・人生的な転機
  • momentary は「時間的にごく短いこと」を表し、軽く・一過性のあるものに使います。
  • momentous は「重大で将来に大きく影響すること」を意味し、深刻で歴史的な意義を持つ文脈で使われます。

よく使われるコロケーションと例文

▶︎ momentary

  • a momentary pause(一瞬の間)
    There was a momentary pause before the audience erupted in applause.
  • a momentary lapse(一瞬の過ち)
    His mistake was due to a momentary lapse in concentration.

▶︎ momentous

  • a momentous decision(重大な決断)
    She made the momentous decision to move abroad alone.
  • a momentous occasion(歴史的な出来事)
    The inauguration was a momentous occasion for the nation.

冠詞のポイント

フレーズ解説
a momentary pause / lapse「pause」「lapse」は可算名詞a が必要。1つの短い動作や失敗を指す。
a momentous decision / occasion「decision」「occasion」も可算名詞a が必要。1回限りの特別なイベントを強調。

ひとことまとめ

momentary は「一瞬の軽さ」
momentous は「人生・歴史を動かす重さ」

たとえば、「一瞬の沈黙」は a momentary silence
「歴史的決断」は a momentous decision

語源は同じでも、“軽い” vs “重い” の真逆の意味を持つのがこのペアの面白さです。

まとめ:見た目に惑わされず、言葉の本質に目を向けよう

英語を学んでいると、「意味は知っているけど、どっちを使えばいいのか迷う」という場面にたくさん出会います。
今回紹介したような、見た目がよく似ているけれど、意味や使い方が大きく異なる単語たちは、その最たる例です。

  • malign / malignant のように、意味が近くても文脈が異なる
  • classic / classical のように、文化的背景で分かれる
  • childish / childlike のように、感情のトーンがまったく逆

こうしたペアをじっくり観察していくと、単語の背景や使われ方に対する感度が高まり、
単なる暗記ではない“語感の理解”につながっていきます。


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