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クイーンズ・ブルックリン・ブロンクスの違い|暮らす視点で居住地を比較

「クイーンズとブルックリンはどちらが暮らしやすい?」「ブロンクスは治安面で居住候補から外すべき?」――ニューヨークでは、区名のイメージだけで住みやすさを判断できません。同じboroughでも、neighborhoodによって家賃、交通、学校、買い物環境、街の雰囲気が大きく異なるからです。

この記事では、Brooklyn南部で暮らした経験、QueensのFlushingやBronxを訪れた経験を交えながら3区を比較します。結論からいえば、QueensとBrooklynのどちらが優れているかを決めるより、現実的な家賃の物件を探し、その住所の学区・通勤・食料調達を確認するほうが実用的です。

結論:ニューヨークではboroughよりneighborhoodを見て選ぶ

borough(ボロー)は、Queens、Brooklyn、Bronxなどの広い行政区分です。一方、neighborhood(ネイバーフッド)は、その中にある、より小さな生活圏を指します。

同じborough内でも、一戸建てが並ぶ住宅地、集合住宅の多い街区、商店が集中する地域では生活環境が大きく異なります。「Brooklynはおしゃれ」「Queensはアジア食材が豊富」「Bronxは危険」といったイメージだけでは、個々の物件の暮らしやすさを判断できません。

筆者の経験を基に3区を簡潔に比較すると、次のようになります。

スクロールできます
比較軸BrooklynQueensBronx
筆者の経験Dyker Heights周辺に居住Flushingなどを訪問Bronx Zoo周辺を日中に訪問
街の印象neighborhoodごとの差が大きいFlushingには大規模な中国語圏の生活環境がある日中に訪れた範囲では普通の生活の街に見えた
交通南部からマンハッタンまで約1時間だった地域と地下鉄路線による差が大きい勤務先と最寄り路線によっては候補になる
食料調達アジア系スーパーで日本食材をある程度購入できたFlushingは選択肢が豊富だが、距離によっては宅配のほうが便利筆者の訪問経験だけでは評価できない
居住地としての判断家賃と学区のバランス次第で有力候補Brooklynと並ぶ有力候補区名で除外せず、住所単位で追加調査が必要

ただし、この表もborough全体を評価するものではありません。例えばBrooklyn南部でも、少し移動するだけで住宅、店舗、看板に使われる言語、街路の雰囲気が変わりました。治安についても、区全体の評判ではなく、候補住所の周辺と利用する時間帯を確認する必要があります。

実際の住まい探しでは、まず支払い続けられる家賃の物件を複数のboroughから探し、候補が見つかってから次の順序で確認するのが現実的です。

  1. 住所に対応する学区と対象校
  2. 最寄り駅から勤務先までの通勤経路
  3. 徒歩圏の店舗や宅配による食料調達

最初から「Queensに住む」「Brooklynに住む」と決めるのではなく、その物件とneighborhoodが家族の条件に合うかを見て絞り込みます。

クイーンズ・ブルックリン・ブロンクスの位置関係と交通

BrooklynとQueensはロングアイランドの西部にあり、両区は陸続きです。Bronxはマンハッタンの北側に位置します。いずれも地下鉄などでマンハッタンへ移動できますが、地図上の距離だけでは通勤のしやすさを判断できません。

実際の負担を左右するのは、主に次の条件です。

  • 自宅から最寄り駅までの徒歩時間
  • 利用できる地下鉄路線
  • 急行が停車するか
  • 乗り換えの回数
  • 勤務先がDowntown、Midtown、Upper Manhattanのどこにあるか
  • 遅延や運休時に別路線やバスを使えるか

例えば、マンハッタンに近く見える物件でも、駅まで遠かったり乗り換えが多かったりすれば、通勤時間は長くなります。反対に、区の中心部から離れていても、急行停車駅に近く、勤務先まで一本で移動できれば便利な場合があります。

筆者が暮らしたBrooklyn南部からマンハッタンまでは約1時間でした。私には許容範囲でしたが、地下鉄が遅れたり止まったりすることもあるため、表示された最短時間より少し余裕を持って出勤していました。

物件を比較するときは、最寄り駅からではなく、玄関から勤務先までのdoor-to-doorで確認するのがポイントです。普段出勤する曜日と時間帯で経路を検索し、MTAの運行情報を見ながら、代替路線やバスも確認しておくと実際の生活を想像しやすくなります。

Brooklynで暮らして分かった、イメージと南部の生活感の違い

日本では、Brooklynに「おしゃれなカフェやショップが集まる街」という印象を持つ人も多いかもしれません。しかし、私が暮らしたDyker Heights周辺は、有名な観光エリアとは異なる、家族の生活が中心の住宅地でした。

周辺にはニューヨークの下町らしさを感じる街区がある一方、Dyker Heightsへ入ると住宅や街路の雰囲気が明らかに変わります。さらに少し移動すると、店舗の看板に使われる言語、並んでいる商品、歩く人の服装も変わりました。

この経験から感じたのは、「Brooklyn」という区名だけでは生活環境を説明できないということです。同じ南部でも、数駅、場合によっては数ブロック移動するだけで、別の街に来たように感じることがあります。

マンハッタンまで約1時間でも、私には許容範囲だった

私が利用していた経路では、マンハッタンまで約1時間かかりました。短い通勤ではありませんが、私には許容範囲でした。

ただし、地下鉄は遅れたり止まったりすることがあります。通常の所要時間が約1時間でも、毎日ちょうど1時間で着くわけではありません。少し早めに家を出ることも含めて、通勤時間として考える必要がありました。

アジア系スーパーが日本人家庭の生活を支えてくれた

Brooklyn南部にはアジア系スーパーがあり、醤油などの日本食材をある程度そろえられました。

特に醤油は重要です。日本の家庭料理には醤油を使うものが多く、一本あるだけでも普段の食事を慣れた味に近づけられます。また、日本のお菓子が手に入ることも、子どもがいる家庭には助かりました。食料調達では、専門的な日本食材がすべてそろうことより、日常的に使う調味料や子どもが慣れた食品を近所で買えることのほうが大切でした。

学校は普通の公立校、給食には日本との差を感じた

子どもが通った学校は、生活者としては特別に高級でも特殊でもない、普通の公立校という印象でした。事前にインターネットで学校の評価を調べていましたが、オンライン上の点数と、実際に子どもを通わせて感じる学校生活は分けて考えたほうがよいと思います。

一方、給食でピザが通常の献立として出ることには、日本の学校給食との違いを感じました。特に栄養面は少し気になりました。これは子どもが通った学校での経験ですが、物件を選ぶ際には学校の評価だけでなく、毎日の学校生活まで確認する価値があります。

Brooklynを居住候補にするなら、「おしゃれな区か」という印象より、候補物件の周囲にどのような住宅、駅、スーパー、学校があるかを見るほうが実用的です。

QueensのFlushingで感じた、品ぞろえと日常の便利さの違い

Queensで食料調達の環境を確かめるため、私が訪れたのはFlushingのChinatownです。中国語の看板や表示が広い範囲に見られ、中国系の商品を扱う店も数多く集まっていました。専門店が数軒並んでいるというより、街全体が一つの中国語圏の生活圏として成り立っているように感じました。

渡米して間もない頃、特に店を決めずに入ったスーパーで、魚が豊富に並ぶ売り場を見て驚いたことを覚えています。それまで見ていた一般的なアメリカのスーパーとは品ぞろえが異なり、アジアの食文化に合う食材を探しやすそうでした。

銀行へ入ったときにも中国系と思われるスタッフが多く、食料品店だけでなく、日常生活に必要なサービスまで中国語圏の中で成り立っているように見えました。これは訪問時の私の印象ですが、Flushingの規模を実感した場面の一つです。

品ぞろえが豊富でも、わざわざ通うとは限らない

Flushingは、アジア食材や一部の日本食材を探す場所として便利です。ただし、品ぞろえが豊富であることと、日常的に利用しやすいことは同じではありません。

Brooklynの自宅から繰り返し買いに行くには移動時間がかかるため、私の場合は、アジア食材宅配サービスのWeee!を利用するほうが便利でした。Flushingまで行かなければ買えないものもありますが、醤油や米、お菓子などの日常的な食品であれば、近所の店や宅配で補えることがあります。

この経験から、住居を選ぶ際に「Chinatownに近いか」だけを重視する必要はないと感じました。徒歩圏のスーパーで普段使う食品がどこまでそろい、足りないものを宅配で補えるかまで確認すれば、食料調達の選択肢は広がります。

なお、Flushingで受けた印象をQueens全体の特徴と考えることはできません。Queensもneighborhoodによる違いが大きいため、居住地として検討する場合は、候補物件ごとに交通、学校、買い物環境を確認する必要があります。

Bronxは治安のイメージだけで居住候補から外すべきか

Bronxを訪れる前、私は「治安が悪い地域」というイメージを持っていました。マンハッタンからBronx方面へ向かう電車では、車窓から集合住宅がまとまって見え、BrooklynやQueensから移動したときとは街の雰囲気が違うとも感じました。

実際に家族で訪れたのは、日中のBronx Zoo周辺です。その範囲では、人々が普通に生活し、家族連れが外出している街に見えました。事前に抱いていたイメージほど特別な危険を感じたわけではありません。

また、日本人の知人がBronxで暮らしていたため、私自身は「日本人が住めない街」だとは考えていませんでした。一方、動物園を訪れた経験や、知人一人が住んでいるという事実だけで、Bronx全体の暮らしやすさを判断することもできません。

日中の訪問経験だけでは夜間の安全性を判断できない

私はBronxを夜間に歩いた経験がありません。そもそもアメリカでは夜に出歩くことを控えていますが、特にBronxでは夜間の様子を自分の目で確認していません。

したがって、私が言えるのは「日中にBronx Zoo周辺を訪れた際には、特別な危険を感じなかった」という範囲までです。別のneighborhoodや夜間の安全性まで、この経験から結論づけることはできません。

居住候補として調べる場合は、borough全体の評判ではなく、候補住所の周辺を確認します。NYPDのCrime Mapなどで最近の状況を調べたうえで、可能であれば実際に駅から物件まで歩き、街路や店舗、人通りを確認するのが現実的です。

観光で訪れることと、暮らすことは別

Bronx Zooへの行きやすさだけでは、毎日の通勤、学校、買い物環境までは分かりません。居住地として検討するなら、次の点を住所ごとに確認する必要があります。

  • 最寄り駅から物件までの経路
  • 勤務先までのdoor-to-doorの通勤時間
  • 徒歩圏のスーパーや商店
  • 住所に対応する学校
  • 普段利用する時間帯の人通りや街の様子

Bronxは治安のイメージだけで一律に除外する必要はありません。ただし、私の経験は日中の限られた訪問にとどまるため、QueensやBrooklyn以上に候補住所ごとの確認が重要です。

QueensかBrooklynかではなく、4つの条件で物件を絞る

家族で住む場所として考えるなら、私の場合はQueensかBrooklynが主な候補になります。ただし、最初にboroughを決めるのではなく、両区から物件を探し、家賃・学区・通勤・食料調達の順に確認するのが現実的です。

1. 支払い続けられる家賃の物件を探す

ニューヨークでは家賃が高いため、最初の条件は無理なく支払い続けられることです。希望するboroughやneighborhoodを先に限定しすぎると、候補が見つからないことがあります。

まず家賃の上限、最低限必要な広さ、入居時期など、譲れない条件を決めます。そのうえでQueensとBrooklynを中心に広く探し、条件に合う物件を数件残します。Bronxも、区名だけで除外せず、条件に合う物件があれば比較対象にできます。

2. 正確な住所から対象校を確認する

子どもがいる場合、次に確認するのは学区と対象校です。neighborhood名ではなく、候補物件の正確な住所と子どもの学年を使って調べます。

学校評価サイトの点数や口コミだけで決めず、NYC Public Schoolsの公式情報、学校の案内、可能であれば見学時の印象を組み合わせます。オンライン上の評価が高くても、実際の学校生活や子どもとの相性まで点数だけで判断することはできません。

3. 玄関から勤務先までの通勤を確認する

通勤時間は、最寄り駅からではなく、玄関から勤務先までのdoor-to-doorで考えます。

確認したいのは次の点です。

  • 駅までの徒歩時間
  • 乗り換えの回数
  • 急行が停車するか
  • 出勤・帰宅時間帯の所要時間
  • 遅延や運休時に利用できる別路線やバス

検索結果の最短時間だけでなく、地下鉄の遅延を見込んでも許容できるかを考えます。約1時間の通勤でも、一本で移動できる場合と、複数回の乗り換えが必要な場合では負担が異なります。

4. 必要な食品を店舗と宅配でそろえられるか確認する

食料調達は、ニューヨークでの生活に慣れると意外に対応できます。近所ですべてそろわなくても、少し離れたアジア系スーパーやWeee!などの宅配を利用できるからです。

候補物件の周辺では、「日本食材が買えるか」と漠然と見るのではなく、普段必要なものを書き出して確認します。

  • 醤油や米など日常的に使う食品
  • 魚や野菜
  • 子どもが慣れているお菓子
  • 宅配で補う必要がある商品

Flushingのように品ぞろえが豊富な地域でも、遠ければ日常的には利用しにくくなります。徒歩圏の店舗と宅配を組み合わせたときに、無理なく生活できるかを見ることが大切です。

最終的な問いは、「QueensとBrooklynのどちらが優れているか」ではありません。

この家賃の物件で、学校と通勤が許容範囲に入り、必要な食品も無理なく調達できるか。

この順番で確認すれば、boroughのイメージではなく、実際の家族生活に合う物件を絞り込めます。

まとめ

Queens、Brooklyn、Bronxは、borough名だけで住みやすさを判断できるほど均一ではありません。同じ区内でも、neighborhoodや最寄り駅によって、家賃、交通、学校、買い物環境、街の雰囲気は大きく変わります。

Brooklyn南部で暮らし、FlushingやBronxを訪れた経験から私が感じたのは、区に対するイメージより、候補物件の周囲を実際に確認することのほうが重要だということです。

家族の住まいを探す場合は、まず現実的な家賃の物件を複数のboroughから探します。その後、正確な住所を基に学区と対象校を確認し、door-to-doorの通勤経路、店舗や宅配による食料調達を調べます。

QueensかBrooklynか、あるいはBronxを候補に含めるかという問いに、区名だけで決まる答えはありません。最終的に見るべきなのは、その物件とneighborhoodが、自分や家族の生活条件に合っているかです。

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