ニューヨークは住みやすい?日本と比較してわかったリアルな生活事情

ニューヨークの緯度は 約40.7度 で、実は日本の 仙台(約38.3度)や新潟(約37.9度) と同じくらいの位置にあります。そのため、ニューヨークの冬は意外と寒く、雪もよく降ります。

またニューヨークには サマータイム(夏時間) があります。日本にいたときは「サマータイムって意味あるの?」と思っていましたが、ニューヨークで暮らしてみると 夏と冬で日照時間が大きく変わるため、サマータイムがある方が生活しやすい と感じるようになりました。

日本では不便に感じたことがなかったことが、ニューヨークでは意外と不便に思うことがあります。そんなとき、「ニューヨークって住みにくいのかな?」 と感じることもありますが、その反対に 日本と比べて住みやすいところもたくさんある のがニューヨークの面白いところです。

この記事では、実際にニューヨークで生活する中で感じた 「住みにくいところ」「住みやすいところ」 を日本と比較しながら紹介していきます。

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住みやすいところ

多様性があり、受け入れられやすい

「多様性」という言葉は日本でもよく耳にしますが、実際にニューヨークで暮らしてみると、その意味を肌で実感します。

ニューヨークには チャイナタウン(中国人街)だけでなく、ユダヤ人街、コリアンタウン(韓国人街)、リトルロシア(ロシア人街) など、さまざまな国や地域出身の人々が暮らすコミュニティが街ごとに形成されています。

正直、ニューヨークに来る前は 「ロシアとアメリカって仲が悪いんじゃないの?」 と思っていましたが、実際には ロシア人街では楽しそうに暮らしている人が多く、国同士の関係と市民同士の生活は別物なのだと驚きました

また、ニューヨークで生活していると 英語のアクセント(訛り)が本当に多様 で、インド訛り、中南米訛り、ヨーロッパ訛りなどが飛び交っています。最初は聞き取るのに苦労しましたが、周りがそれぞれ自分の英語で堂々と話している姿を見ているうちに、 自分の発音の悪さなんて気にならなくなりました

日本にいたとき、私は「誰でも受け入れられるタイプ」だと自負していましたが、ニューヨークの多様性の中で暮らしてみると、その自信が恥ずかしくなるほど、本当の「受け入れる」とは何かを学ばされる日々です

ニューヨークは 英語が完璧でなくても暮らしていける街 であり、服装や価値観も多様で「空気を読む」プレッシャーが少なく、自分らしく過ごせる点が 日本と比べて住みやすいポイント だと感じています。

キャリア・自己実現の機会が多い

ニューヨークは キャリアや自己実現の機会が多い街 だと感じています。

個人的な感想ですが、ニューヨークでは 意外とどんな職種でも高い給料を期待できることが多い と感じています。その理由の一つは、 個人の裁量が高く、自分の成果をしっかり主張しやすい環境があること ではないかと思います。

日本では年功序列や空気を読む文化の中で「周囲と足並みを揃える」ことが大切にされる場面が多いですが、ニューヨークでは 「自分が何をできるか」「どう貢献できるか」を明確に伝えることが重視され、結果が伴えば年齢に関係なく評価される ことがよくあります。

また、ニューヨークは転職が当たり前の文化があり、 より良い条件の仕事が見つかればすぐにキャリアチェンジする人が多い です。そのため、副業やキャリアチェンジにも柔軟で、日本と比べて「一度決めた仕事を続けないといけない」という空気はありません。

もちろん、家賃や物価の高さなど生活費は大きな負担になることもありますが、それに見合った 高い給料とキャリアの選択肢が用意されている のは、ニューヨークの大きな魅力の一つだと感じています。

食文化の選択肢が広い

世界中の料理を手軽に楽しめるのは、ニューヨークならではの魅力です。

日本にいたとき、「東京ならどの国の料理でも食べられる」と思っていましたが、ニューヨークも負けず劣らず、いや、それ以上かもしれないと感じています。街を歩けば、中華、韓国料理、インド料理、アフリカ料理、中南米料理まで、世界中のレストランがすぐに見つかります。

さらに、ニューヨークでは ベジタリアン、ヴィーガン、ハラール対応の食事も簡単に見つかる のが特徴です。食文化の多様性が生活の中に自然に溶け込んでおり、食事制限がある人もストレスなく外食できる環境が整っています。

ここで個人的に強調したいのは、 「現地のテイストのまま出している店が多い」という点 です。

日本で海外の料理を食べると、どこか 「日本人向けに食べやすくアレンジされている」 と感じることが多かったのですが、ニューヨークでは 「これが本場の味だ!」と言わんばかりのクセ強めな料理が普通に出てくる ことが多いです。

最初は戸惑うこともありますが、慣れると本場の味を知る楽しさにハマってしまうもの。私自身も、今では「このクセの強さがむしろいいな」と感じるようになりました。

ニューヨークに住むと、普段のランチから世界旅行をしている気分になれるのが大きな魅力です。

住みにくいところ

家賃が高い

ニューヨークの家賃は 東京よりさらに高い場合が多い です。

「ニューヨークの家賃は高い」と聞いたことがある方も多いと思いますが、実際に住んでみるとその高さを実感します。マンハッタンだけでなく、ブルックリンやクイーンズでも ワンルームで月20万円を超えることは珍しくありません

「給料もそれに応じて高いから大丈夫」と言われることもありますが、 個人的には給料が高くても家賃の高さが上回ることが多く、やはり負担感は大きい と感じています。

ただ、一つポイントがあるとすれば、 ニューヨークの家賃は個人の裁量によって大きく変わる場合がある という点です。

ニューヨークでは投資目的で賃貸を提供しているオーナーも多く、こうした場合は相場通り、もしくは相場以上の家賃になることが一般的です。一方で、 「自宅の一部を貸して少し収入を得たいだけ」というオーナーもおり、この場合は比較的安く借りられることがあります

また、私の体感としては、こうしたオーナーは「どんな人に貸すか」を重視しており、 日本人は真面目で部屋をきれいに使う印象を持たれていることが多いため、比較的好印象を持ってもらえることが多い と感じています。

そのため、しっかり情報収集をして探せば、ニューヨークでも 「相場より安くて良い物件を見つけることは可能」 です。

治安の不安定さ

ニューヨークは地域差がありますが、スリ、置き引き、地下鉄内でのトラブルが起きる可能性があるのは事実です。

日本のように「夜遅く女性が一人で歩いても安心」という環境ではなく、 夜道を歩くときは周囲への注意が必要 です。

ただし、ここで強調しておきたいのは 「場所による」という点 です。

私自身、仕事が遅くなって夜12時ごろに徒歩で帰宅することもありましたが、特にトラブルに巻き込まれたことはなく、むしろ 普通に知らない人に道を聞かれ、受け答えをして終わっただけ ということもありました。

つまり、治安が不安定と言っても、 危険なエリアを避ける・深夜に人気のない場所を歩かないなど基本的な対策を取れば、過度に不安を持つ必要はない と感じています。

また、日本との違いとして、 24時間営業のコンビニがほとんどない 点も挙げておきます。アメリカでは 「デリ」と呼ばれる軽食や飲み物、日用品を扱う小さな店がコンビニのような役割を担っていますが、私の近所のデリは夜10時ごろに閉まる ため、夜中に急に何か必要になったときは不便さを感じることがあります。

医療費が高額

ニューヨーク、というよりアメリカ全体で 医療費が高額なのは大きな住みにくさの一つ です。

健康保険に加入していても自己負担額が高く、 日本のように「ちょっと体調が悪いから病院へ行く」という感覚で気軽に病院へ行きづらい のが現実です。

日本では「医療保険は必要かどうか」という議論がありますが、 アメリカでは医療保険はほぼ必須 です。そもそも 保険に入っていないと病院にかかれない 場合があり、受付で最初に保険加入の有無を確認されるのが当たり前です。

実際、アメリカでは二重で保険に加入している人も少なくありません。万が一の高額医療費に備えて追加保険を持つのは珍しいことではなく、それほど医療費のボラティリティ(変動の激しさ)が大きいと言えます。

私自身、先日子供を歯医者に連れて行ったときに 総額で約4,000ドル(約60万円)程度の請求がきて驚きましたが、保険の控除が適用され、最終的に3回の通院総額が約700ドル(約10万円)で済みました。

保険があったから助かったものの、アメリカの医療費の高さは改めて身にしみました。

冬の寒さが厳しい

ニューヨークの冬は マイナス10℃以下になることもあり、寒さと雪に慣れていない日本人にとって大変に感じることがあります。

私自身、勝手に「東京と同じくらいの寒さかな」と思っていたのですが、実際にニューヨークで冬を迎えてみて 想像以上の寒さに驚きました。

しかも、ニューヨークは意外と古い家が多く、特に初めて住むときはそういった家を選ぶ可能性が高いです。そして、 古い家は暖房効率が悪く、家の中がなかなか温まらないこともあります。

また、意外だったのは お店の暖房事情 です。日本では冬に入るとお店の中は暖房が効いていて暖かいことが多いですが、ニューヨークでは 「店内がめちゃくちゃ暖かい」ということは少なく、むしろ暖房の温度を節約している店舗も多い ように感じます。

そのため、冬場は室内でも厚手の靴下やスウェットを着込むなど、しっかり寒さ対策をする必要があります。

まとめ:ニューヨーク生活は誰に向いている?

ここまで、日本と比較したニューヨークの住みやすい点・住みにくい点を紹介してきました。

ニューヨークはこんな人に向いています:

  • 多様な文化・価値観の中で生活したい人
  • キャリアや挑戦の機会を求めている人
  • 英語力を伸ばしつつ実践で使いたい人

ニューヨークは 多国籍で刺激的な街 であり、挑戦を続ける人にとっては住みやすい都市です。

一方で、

  • 安定した治安・医療制度を重視する人
  • 家賃をなるべく抑えたい人
  • 日本の「便利さ・清潔さ・安心感」を重視する人

には、住みにくさを感じるポイントが多い街でもあります。

ただ、実際に住んでみると、「多様性の中で自分がどう生きるか」「英語を使いながら働くことはどんなことか」 を体験できる貴重な場所であり、 総じて「一度は住んでみる価値のある街」だと感じています。

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