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アメリカの学校は英語が話せなくても大丈夫?子どもを現地校に通わせて分かった現実

「子どもは英語を話せなくても、アメリカの学校に通えるのだろうか」

子どもを連れてアメリカへ移住するとき、これは多くの親が心配することだと思います。

わが家でも、子どもたちが英語をほとんど話せない状態から、ニューヨークの現地校へ通い始めました。

実際に経験してみると、入学そのものは想像していたよりスムーズでした。アメリカの学校は、英語を母語としない子どもの受け入れに慣れているからです。

しかし、学校に入れさえすれば、自然に英語が伸びてすべて解決するわけではありませんでした。

この記事では、入学手続き、英語学習者へのサポート、学年が上がってから見えてきた問題など、実際に子どもを現地校へ通わせて感じたことを紹介します。

Table of Contents

最初に困ったのは英語ではなく「何をすればよいか分からないこと」

入学時に一番混乱したのは、英語の書類を読むことではありませんでした。

そもそも、何の手続きが必要なのか分からなかったことです。

日本であれば、まず役所で住所に関する手続きをして、その後学校へ連絡するなど、何となく流れを想像できます。分からなければ、役所や教育委員会へ問い合わせるという発想も出てきます。

ところが、初めてアメリカで子どもを学校へ入れる場合、その前提知識がありません。

英語で検索すれば手続きの説明は見つかります。しかし、自分が何を知らないのかさえ分からないため、必要な情報を検索すること自体が難しいのです。

わが家が完全に見落としていたのが、予防接種の記録でした。

ニューヨークの公立学校へ通うには、原則として所定の予防接種を受け、その記録を提出する必要があります。日本で受けた予防接種との対応関係を確認し、不足があれば追加接種も検討しなければなりません。

必要性を事前に把握していなかったため、入学直前になって慌てて確認することになりました。

海外での学校手続きでは、英語力以上に「どんな書類や準備が必要なのかを早めに把握すること」が重要だと感じました。

学校側はノンネイティブの子どもに驚くほど慣れていた

一方で、学校へ連絡してからの対応は想像以上にスムーズでした。

ニューヨークには、さまざまな国から来た子どもがいます。英語を母語としない生徒を受け入れることは、学校側にとって特別なことではありません。

子どもの英語力を確認し、必要なサポートにつなげる流れも、ある程度仕組み化されていました。

先生や学校職員が英語を話せない子どもへの対応に慣れている点は、親として非常に心強く感じました。

むしろ、学校側の手続きがあまりにもスムーズに進むため、こちらの理解が追いつかないこともありました。

学校側にとっては日常的な手続きでも、初めて経験する親にとっては、説明に登場する制度やクラスの違いがよく分かりません。

「手続きが進んでいること」と「親が内容を理解できていること」は、必ずしも同じではありませんでした。

ニューヨークではESLではなくELL・ENLと呼ばれることが多い

日本では、英語を母語としない人向けの英語教育を、一般的にESLと呼ぶことが多いと思います。

ニューヨーク市の公立学校では、英語を学んでいる生徒をELL(English Language Learner)、英語の指導をENL(English as a New Language)と呼んでいます。

学校によって、通常のクラスでENLの支援を受ける場合や、英語学習者を中心としたクラスで学ぶ場合など、実際の環境は異なります。

この記事では分かりやすさを優先してESLという言葉も使いますが、ニューヨークの公式情報を調べる際は、ELLやENLで検索したほうが情報を見つけやすいでしょう。

ESLに入れば自然に英語が伸びるわけではなかった

渡米前は、英語ができなくても、ESLなどのサポートを受ければ何とかなると思っていました。

実際、学校生活を始めるという意味では何とかなりました。

しかし、ESLに入ったことと、英語が順調に伸びることは別でした。

わが家の子どもが通った学校には、さまざまな国から来た英語学習者がいました。英語を学ぶ立場の子どもが多いため、学校側の受け入れ体制は整っています。

その一方で、英語学習者同士では十分な会話が成立しないこともあります。

当然ながら、子どもたちはそれぞれ異なる母語を話します。共通言語である英語もまだ学習途中です。そのため、同じ教室で過ごしていても、ネイティブの子どもたちと一日中会話するような環境になるとは限りません。

少なくともわが家の場合、英語学習者が多い環境にいるだけでは、期待していたほど英語を使う機会は増えませんでした。

「アメリカの学校に毎日通っているのだから、そのうち自然に話せるようになるだろう」と考えるのは、少し楽観的だったと思います。

小学校から中学校へ進み、英語環境も変わった

上の子は、日本の小学校中学年にあたるころから現地校へ通い始めました。

小学生のころは、一日中英語学習者だけのクラスで過ごしていたわけではありません。通常の学校生活の中で、必要な英語支援を受ける形でした。

ところが、中学校へ進学してからは、一日の大半をELLの生徒と一緒に過ごす環境になりました。

これは、わが家が経験した学校での話であり、ニューヨークのすべての学校が同じ仕組みというわけではありません。

ただ、親としては少し意外でした。

英語学習者向けのクラスは、授業を理解するために必要なサポートです。その一方で、周囲にも英語学習者が多くなるため、ネイティブの生徒と自然な英語で話す機会が限られる可能性もあります。

サポートが手厚いことと、英語を使う環境が豊富であることは、必ずしも同じではないのです。

幼いころから通えば、すべて解決するわけでもない

下の子は、上の子よりも幼い時期から現地の教育環境に入りました。

そのため、上の子とは英語への入り方が異なります。明確なESLクラスに入ったという認識もなく、比較的自然に学校生活へ入っていきました。

幼い子どものほうが、生活の中で英語を身につけやすいのは確かだと思います。

それでも、ネイティブの子どもとまったく同じ条件になるわけではありません。

日常会話がある程度できても、先生の説明を正確に理解したり、文章問題を読んだり、自分の考えを文章で説明したりするには、別のレベルの言語能力が必要です。

会話では困っていないように見えても、英語力の差が教科学習に少しずつ影響することがあります。

「友達と英語で話せているから大丈夫」と判断するのではなく、授業の内容をどの程度理解できているかも見ていく必要があります。

「日本人の少ない地域に住めば英語が伸びる」とは限らない

子どもの英語習得を考えて、日本人が少ない地域に住みたいと考える家庭もあると思います。

周囲に日本人がいなければ、英語を使わざるを得ないため、英語が早く伸びるように思えるからです。

しかし、実際には子どもの年齢や現在の英語力を考える必要があります。

すでに英語で授業を受けられる子どもなら、英語だけの環境が成長につながる可能性があります。

一方で、英語をほとんど理解できない状態では、英語環境へ入れるだけで十分とは限りません。学校に英語学習者が多ければ、周囲の子どもたちも英語を学んでいる途中かもしれません。

また、親もアメリカの学校制度に慣れていないため、入学手続き、先生との連絡、宿題、進路などについて、相談できる相手がいることには大きな意味があります。

そう考えると、日本人家庭が比較的多く、情報や支援を得やすい地域に住むことも、決して悪い選択ではありません。

「日本人が少ないほど英語教育によい」と単純に考えるのではなく、子どもが学校生活と学習を続けられる環境を総合的に判断したほうがよいと思います。

入学直後より、長期的な学習のほうが難しかった

渡米前の自分に一つ伝えるなら、「入学自体は意外と何とかなる」と伝えます。

学校側はノンネイティブの受け入れに慣れており、必要な支援も用意されています。最初に想像していたほど、英語ができないことだけを恐れる必要はありませんでした。

ただし、問題は入学した瞬間にすべて解決するわけではありません。

最初は、子どもが毎日学校へ通えているだけで安心します。しかし、学年が上がって授業内容が難しくなると、英語力が読解、文章問題、作文などに影響する場面が増えてきます。

日常会話ができるようになっても、学習に必要な英語力が同じ速度で身につくとは限りません。

学校の英語支援は重要ですが、そこへ入れれば親は何もしなくてもよい、というものでもありませんでした。

子どもの宿題やテストを確認し、どこでつまずいているのかを見る。必要であれば、家庭でも教科の内容や英語を補う。

海外で子どもを学校へ通わせるなら、親もある程度は勉強を支える前提でいたほうがよいと思います。

まとめ:受け入れ制度は整っていても、その後は学校任せにできない

ニューヨークの学校は、英語を母語としない子どもの受け入れに慣れていました。

入学手続きや英語支援の仕組みがあり、英語を話せない子どもでも学校生活を始めることはできます。

一方で、実際に子どもを通わせて分かったのは、次のようなことです。

  • 入学時は、英語よりも必要な手続きが分からないことに困る
  • 学校側はノンネイティブの受け入れに慣れている
  • ESLやENLの支援を受けても、英語が自然に伸びるとは限らない
  • 日常会話と、授業を理解するための英語力は異なる
  • 英語学習者が多い環境では、ネイティブとの接点が限られることもある
  • 日本人が多い地域も、情報や支援を得るうえで現実的な選択肢になる
  • 長期的には、家庭での学習支援も必要になる

「英語が話せなくても、アメリカの学校に入れるか」という質問への答えは、基本的には「入れるし、意外と何とかなる」です。

ただし、「学校に入れば、あとは自然に英語が伸びるか」と聞かれたら、わが家の経験では「それほど単純ではない」と答えます。

学校の制度を利用しながら、子どもの英語力と学習状況を長期的に見ていくことが大切だと感じています。

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