英語学習の基本は「継続して長期間続けること」。
これは間違いありません。ただ、現実にはそうはいかないこともあります。
急に海外出張が決まったとき、残された時間はもうわずか。
このとき必要なのは、あれこれ手を出すことではなく、「シチュエーションを定め、そこに集中してひたすら練習すること」です。
現地で使う可能性が高い場面は、実はそれほど多くありません。
闇雲に勉強するより、起こりうるシチュエーションを事前に洗い出し、そこで使う表現だけを徹底的に練習した方が、短期間で効果が出ます。
ここでは、海外出張前にやるべき英語準備を「シチュエーション」ベースで整理し、残り1ヶ月で効率よく準備する方法を共有します。
出張準備で優先すべき英語シチュエーション
時間がないときは「すべてやろうとしない」ことが重要です。
海外出張前の英語準備は、使う可能性が高く、準備する効果が大きいものから順に対策することで効率が上がります。
以下に 優先順位の高い順 に、準備すべきシチュエーションを示します。
【最優先】会議での自己紹介・担当業務説明
自分のプレゼン内容の練習
もし出張先で自分のプレゼンをする予定がある場合は、他のすべてを後回しにしてでも、ここにリソースを集中させるべきです。
理由はシンプルで、出張中で最も相手に印象を残す場面がこの瞬間だからです。
プレゼンは30分〜1時間程度の場合が多く、内容が難解であるほど緊張します。
話す内容をすべて書き出し、丸暗記し、ぼーっとしていても口から出るレベルに仕上げることが重要です。
「暗記は良くない」という人もいますが、出張直前の準備では暗記こそが最大の保険になります。その先に「自分なりの言葉で説明する余裕」が生まれます。
名前・部署・担当プロジェクトの説明（1分以内）
自己紹介の場面は想像以上に多く、プレゼン参加者以外とも顔を合わせる場で求められます。
ここで大切なのは「英語が正しいか」ではなく、自信を持って説明できるかどうかです。
何度も練習してスラスラ言えるようにしておくことで、出張先での第一印象が大きく変わります。
会議での賛成・反対を伝える簡単なフレーズ
会議で意見を求められることはよくあります。
その場で内容を完璧に理解して意見を述べるのは難しいですが、「賛成・反対を簡潔に伝えるフレーズ」だけ覚えておくだけで対応が可能です。
さらに「なぜそう思うか」という短い理由のテンプレートも準備し、考えずに使える状態にしておきましょう。
質問を返す練習
わからなかった時は無理に具体的な質問を捻り出す必要はありません。
以下のようなシンプルなテンプレートを使うだけで場をつなげます：
・Could you explain that again, please?
・I’m not sure I understood this part. Could you clarify?
質問できるだけで「理解する姿勢がある」と伝わり、会議で黙って座っているだけの状態を避けられます。
なぜこの部分が最優先なのか
ここまで準備しておくだけで、
- プレゼンで堂々と説明できる
- 自己紹介で印象が残る
- 意見を求められた時も対応可能
- わからない場面も切り返せる
ようになります。
海外出張で一番避けたいのは、「黙って座っているだけ」で終わること。
それを防ぐためにも、会議での自己紹介・担当業務説明の準備を最優先で完璧に仕上げることが鍵です。
【優先順位②】入国審査・空港での対応
プレゼンを成功させるためには、余計な心配事や失敗を減らすことが重要です。
その中でも、入国審査でつまずくと一気に精神的な負担が増えるため、最低限の準備をしておく必要があります。
滞在目的・期間・滞在先の説明
入国審査では必ず聞かれる質問です。
・「Why are you visiting?」 → “For business.” “To attend a meeting.”
・「How long will you stay?」 → “For one month.”
・「Where will you stay?」 → “At a hotel in New York.”
このように 1文で簡潔に答えられるように練習しておくとスムーズです。
シンプルな質問（職業・訪問目的）への答え方
職業を聞かれる場合：
・「What is your occupation?」 → “I’m a system engineer.”
訪問目的の詳細を聞かれた場合：
・「What will you do here?」 → “I will attend business meetings and visit clients.”
特別な英語力は不要で、短く答えることがポイントです。
聞き取れなかった時に聞き返すフレーズ
相手の発音やスピードで聞き取れないことはよくあります。
焦らず以下のフレーズで聞き返しましょう。
・“Sorry, could you say that again?”
・“Pardon?”
・“Could you please repeat that slowly?”
これらを使うだけでパニックを防ぎ、冷静に対応できます。
なぜ優先順位が高いのか
入国審査でのやり取りは数分で終わるものですが、ここでトラブルになるとその後の行動すべてに影響します。
しかも 質問パターンが限られているため準備に時間はかかりませんが、準備しているかどうかで心理的負担が大きく変わるポイントです。
プレゼンや会議でパフォーマンスを最大化するためにも、余計な心配を消す意味でこの準備は優先して済ませておくのが得策です。
【優先順位③】ホテルチェックイン・トラブル対応
出張中、ホテルでの小さなトラブルが思った以上にストレス源になることは珍しくありません。
Wi-Fiが使えない、シャワーが壊れているなどの問題で、翌日のプレゼン準備に支障が出ることもあります。
だからこそ、「よくある場面だけ準備しておく」ことが大切です。
予約情報の伝え方
チェックイン時に自分の予約情報を簡潔に伝えられるようにしておきましょう。
・“I have a reservation under the name of [Your Name].”
・“I booked a room for three nights.”
これだけで問題ありません。
部屋に問題があるときの伝え方
不具合を我慢して過ごすと疲労が蓄積します。遠慮せず、シンプルに伝えましょう。
・“The shower is not working.”
・“There is no hot water.”
・“The Wi-Fi is not working.”
言いづらければ、フロントにメモを見せるだけでも問題ありません。
必要事項の確認方法（Wi-Fi、朝食、チェックアウト時間）
到着時に以下を確認しておくと安心です。
・“Is breakfast included?”（朝食は含まれていますか？）
・“What time is check-out?”（チェックアウトは何時ですか？）
・“Can I have the Wi-Fi password?”（Wi-Fiのパスワードを教えてください。）
必要な情報は決まっているので丸暗記でOKです。
【優先順位④】日常会話・雑談
余力があれば取り組むべきなのが雑談（スモールトーク）です。
雑談は出張業務の核心部分ではありませんが、現地スタッフや取引先との信頼関係構築や食事中の会話で役立つ場面が多くあります。
緊張しがちな出張中であっても、雑談ができるだけで空気が和らぎ、その後の業務が進めやすくなります。
天気・食事・移動手段に関する簡単な会話
雑談は基本的に「無難な話題」が鉄板です。
・“The weather is nice today.”
・“Do you have any recommendations for lunch around here?”
・“How do you usually get to work?”
この程度の短文で十分で、自分から話題を出せるだけで印象が変わります。
趣味・出身地の説明
自分について聞かれることも多いため、1〜2文で答えられるように準備しましょう。
・“I’m from Tokyo, Japan.”
・“I like running and watching movies on weekends.”
「話題が広がるかな」と不安に思う必要はなく、答えるだけで十分です。
相手への質問の仕方
雑談で大事なのは、相手に質問を返せることです。
・“How about you?”（あなたはどうですか？）
・“What do you like to do on weekends?”
・“Are there any good places to visit around here?”
質問を返せると会話が続き、「英語でコミュニケーションできる人」という印象を持ってもらいやすくなります。
なぜ優先順位が低めなのか
雑談は重要ですが、直接的に業務の成否を左右するものではありません。
しかし、余力があるなら取り組む価値は高く、業務以外の時間を心地よく過ごすことができるようになります。
特に長期出張の場合は、雑談ができるかどうかで現地での過ごしやすさが変わります。
出張1ヶ月前からの英語準備：週ごとの進め方
海外出張の英語準備は、時間が限られる中で 「何をいつやるかを決めて実行すること」 がカギになります。
ここでは 1ヶ月（4週間）で最低限の準備を効率的に進めるスケジュール例 を示します。
【Week 1】方針決定・プレゼン準備着手
✅ 出張中のシチュエーションの洗い出し（今回作成した優先順位①〜④）
✅ プレゼンがある場合は 全リソースをプレゼン練習に投入開始
✅ 会議での自己紹介・担当業務説明の英作文を作り、暗記練習開始
ポイント：
最初の1週間で「出張で何が必要か」を整理し、特にプレゼン内容と自己紹介文の暗記に集中します。
【Week 2】自己紹介・会議対応の完成度を高める
✅ プレゼン内容の暗記→録音・録画して修正
✅ 自己紹介・担当業務説明をスラスラ言えるまで練習
✅ 会議での賛成・反対フレーズ、質問返しフレーズの暗記
✅ Bizmates（オンライン英会話）でアウトプット練習開始（週3回目安）
ポイント：
アウトプット練習開始が重要な週。
Bizmatesで実際に講師相手に話すことで、自分の準備の穴に気づけます。
【Week 3】入国審査・ホテル対応の練習
✅ 入国審査の想定問答を暗記、実際に声に出して練習
✅ ホテルチェックイン時の表現、トラブル時の表現を練習
✅ Bizmatesで「ロールプレイ」を実施し、想定場面練習を実戦で慣らす
ポイント：
入国審査・ホテル対応は覚える量が少ないため、この週でまとめて潰します。
【Week 4】雑談・最終仕上げ
✅ 雑談用の表現・質問返しの練習（余力があれば）
✅ プレゼンの通し練習を繰り返し、自然に話せるレベルまで仕上げる
✅ Bizmatesで最後の弱点確認、必要箇所を補強
ポイント：
「雑談」はできれば準備しておくと現地でのストレスが減ります。
最後の週は 「出張当日の動きを想定した流れでリハーサル」 を行い、不安をできるだけ減らしておきましょう。
Bizmates活用のすすめ
この1ヶ月準備でBizmatesを使う場合、
✅ 週3回（可能なら毎日）30分レッスンで強制的に英語を話す時間を確保
✅ プレゼン内容の説明練習・ロールプレイ練習に活用
✅ 質問対応・言い換え力を実践で鍛える
ことが可能です。
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