「英語を多読しているけれど、続かない。」
「読み始めは楽しいのに、気づけば本棚で眠っている。」
そんな経験はありませんか?
私も同じでした。
“Just-Right”なレベルの英文を探しては読むものの、途中で挫折してしまう。
結局、また別の本に手を出してしまう。
そんなとき出会ったのが、ダニエル・ピンクの『Drive』です。
この本は「なぜ人は動けなくなるのか」「どうすれば続けられるのか」を科学的に解き明かしてくれます。
TEDでも話題になった「モチベーションのパズル」の中で、
ピンクはこう言いました。
“This is one of the most robust findings in social science, and also one of the most ignored.”
「報酬や罰では、続かない。」
「続ける力は、別の場所にある。」
英語多読も同じです。
この本は英語学習者としてだけでなく、
ビジネスパーソンとしても学びになる一冊。
“続ける力”をつけたいあなたにこそ、おすすめです。
本のポイント(『Drive』内容紹介)
ダニエル・ピンクとは?
元ホワイトハウスのスピーチライターを務め、行動科学・ビジネス・教育に関する著書で世界的に知られる作家。
TED Talk “The puzzle of motivation”(モチベーションのパズル)は3000万回以上再生され、世界中のリーダー・教育者・ビジネスパーソンに影響を与えています。
報酬と罰では人は動かない
従来のモチベーションの考え方は「アメとムチ」。
しかしピンクは、多くの研究結果を引用し、
- 単純作業 → 報酬は有効
- 複雑な問題解決・創造的作業 → 報酬は逆効果
と説明します。
知的・創造的な活動で成果を出すためには「外発的動機付け(報酬・罰)」よりも、内発的動機付けが必要だと説きます。
“モチベーション3.0”の3つの要素
ピンクが提唱する “モチベーション3.0” は、次の3要素で構成されています。
Autonomy(自律性)
「何を」「いつ」「どのように」するかを自分で決める自由。
Mastery(熟達)
成長し続けること、上達し続けること自体が喜びを生む。
Purpose(目的)
自分の行動が何か大きな価値や目標とつながっている感覚。
これらが組み合わさったとき、人は報酬がなくても深く集中し、成果を出せるようになると説明しています。
TEDでの有名な言葉
ピンクはTEDで次の言葉を残しています。
“This is one of the most robust findings in social science, and also one of the most ignored.”
(「これは社会科学で最も確立された発見の一つですが、最も無視されていることでもあります」)
つまり「報酬中心のモチベーションは、創造的課題に逆効果である」という科学的事実は知られているのに、多くの企業や教育現場で無視され続けている、と指摘しています。
私の気づき・感想
『Drive』を改めて振り返ると、
「人は報酬や罰だけでは動かない」 という当たり前のようで見落とされがちな真実を、
これほど説得力を持って示した本は他にないと思います。
読んでいて特に心に残ったのは、
Autonomy(自律性) の大切さ。
「自分で選んでいる」という感覚があるだけで、やらされている時とは集中力も楽しさも全く違うことを改めて実感しました。
また、Mastery(熟達) の章で触れられていた
「完璧を目指すのではなく、学び続けることが大切」というメッセージも、
“成長し続けること自体が喜びになる” という視点を与えてくれました。
これは勉強にも仕事にも当てはまり、
小さな成長を積み重ねる日々の中で「昨日の自分より少しできるようになった」と思えるだけで、前に進める力になることを感じます。
さらに印象的だったのは、
Purpose(目的) があることで努力が苦にならなくなるということ。
目的が見えなくなると、何をしても“作業”になりがちですが、
「自分は何のためにこの仕事をするのか」「何のために学ぶのか」という問いを持つだけで、日々の行動が意味を帯びてくるのを感じました。
本の最後の Type I Toolkit(実践ツール集) は、
読んで終わりではなく「どう活かすか」に繋げてくれるパートでした。
- すべてを一度に実践するのは難しくても、
- 自分で学びのペースを決める(Autonomy)
- 上達を実感できる環境を作る(Mastery)
- 行動の目的を意識する(Purpose)
- という小さなステップから取り入れるだけでも、日々のモチベーションの質が変わると感じています。
『Drive』はただのビジネス書や自己啓発本ではなく、
「人が続けるための仕組み」を科学と実践の両面から教えてくれる一冊でした。
この本を読んでから、
「モチベーションがないからできない」ではなく、
“仕組みを作って続けられる環境を整えること” が大事だと気づけたのは大きな収穫です。
あなたは、どんなときに「続けられている」と感じますか?
良ければあなたの経験もコメントで教えてください。
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