「英語の本を読みたいけど、どこから始めればいいかわからない…」
そんな悩みを抱えていた頃、私にとって救いとなったのが、ロアルド・ダールの本でした。
正直に言うと、私は「ロアルド・ダールで英語のスキルを上げた」といっても過言ではありません。
やさしい英語で書かれていながらも、語り口が面白く、ブラックユーモアやリズムのある表現に引き込まれ、気づけば何冊も読み進めていました。
その中でも特におすすめしたいのが、『チャーリーとチョコレート工場』です。
英語が得意でなくても楽しめて、「英語の本って、こんなに面白いんだ」と思わせてくれる一冊です。
あらすじ:『チャーリーとチョコレート工場』ってどんな話?
舞台は貧しい家に生まれた少年チャーリー・バケットが暮らす町。世界中の子どもたちが憧れる、謎に包まれたウィリー・ウォンカのチョコレート工場が近くにあります。
ある日、ウォンカ氏が「ゴールデンチケット」を引き当てた5人の子どもだけを、自分の工場に招待すると発表。
チャーリーは奇跡的にその1枚を手に入れ、他の4人の個性的な子どもたちと一緒に、工場見学へと出発します。
工場の中では驚きの連続。
- チョコレートの川
- 空を飛ぶソーダ
- 働く不思議な小人“ウンパ・ルンパ”
…でも、欲張りだったりワガママな子どもたちは、次々にトラブルに巻き込まれて脱落していきます。
最後まで残るのは、果たして誰なのか?
そして、ウォンカ氏が本当に探していた「特別な子」とは…?
なぜ『チャーリーとチョコレート工場』が多読におすすめなの?
やさしい英語なのに、語彙の幅が広がる
この本は児童書なので、全体的にやさしい英語で書かれています。難解な単語はあまり登場せず、中学生〜高校生レベルの英語力があれば十分楽しめます。
それでいて、英語圏でよく使われる実用的な単語や表現がたくさん登場するので、自然と語彙力も身につきます。多読の目的である「意味をとりながら読み進める力」を鍛えるにはぴったりです。
ストーリーが面白くて、表現もユニーク
物語の舞台となるチョコレート工場では、次々と予想外の出来事が起こります。その展開がとにかくテンポよく、読んでいて飽きません。
さらに、ロアルド・ダール独特の英語表現が満載で、
「へぇ、こんな言い回しもあるんだ!」
と、新しい表現に出会う楽しさも味わえます。楽しみながら英語を学べる、まさに一石二鳥です。
一章ごとに起承転結!テンポがよくて読みやすい
章ごとの長さが短く、1日1章のペースでも無理なく読み進められます。それでも内容はしっかり詰まっていて、1章ごとに「読んだ!」という満足感があるのが嬉しいところ。
読書の習慣化や、毎日のスキマ時間の学習にもぴったりです。
イラスト付きの版も選べる!
多読初心者にとって、イラスト付きの本は本当にありがたい存在です。場面のイメージが視覚的に伝わるので、文章の理解を助けてくれます。
特にロアルド・ダール作品では、クエンティン・ブレイクによる挿絵が人気で、文章とイラストが絶妙にマッチしているのも魅力の一つです。
ロアルド・ダールという作家について
英語多読において、ロアルド・ダールはまさに“頼れる名作家”と言える存在です。
彼は『チャーリーとチョコレート工場』だけでなく、
- 『マチルダ』
- 『魔女がいっぱい(The Witches)』
- 『BFG(ビッグ・フレンドリー・ジャイアント)』
など、数々の魅力的な児童文学を生み出してきました。
ダール作品の魅力とは?
英語のリズムが独特でクセになる
ダールの英語は、ただ「やさしい」だけではありません。
リズムや語感がとてもユニークで、声に出して読むと楽しさ倍増。
英語を「音」としても楽しみながら学ぶことができます。
子ども向けなのに、大人もニヤリ
彼の作品にはブラックユーモアや風刺がさりげなく効いていて、
子どもはもちろん、大人が読んでも「なるほど」「皮肉がきいてるな」と思えるシーンがたくさんあります。
英語圏の文化や価値観も、自然に学べるのが魅力です。
ボリュームがちょうどよく、挑戦しやすい
語数は10,000〜40,000語程度の作品が多く、「長すぎず、でも読みごたえがある」絶妙な長さ。
読み切る達成感が得やすいので、「一冊読めた!」という成功体験が自信につながります。
「次も読みたい」が自然に生まれる作家
ロアルド・ダールの作品は10冊以上出版されており、どれも世界中でロングセラー。
『チャーリーとチョコレート工場』を読み終えると、きっとこう思うはずです:
「この人の本、他にも読んでみたい!」
多読の習慣をつくるうえで、「次に読む本がある」「続きたくなる」というのはとても大事なことです。
ロアルド・ダールは、その導入として本当にぴったりの作家です。
ロアルド・ダールの代表作リスト(語数・難易度つき)
多読を習慣化するには、「次に読む1冊」がすぐに見つかることも大切です。
ロアルド・ダールはシリーズのように10冊以上の名作を出版していて、どれもおもしろくて英語学習にぴったり。ここでは、その中でも特に人気のある代表作を、語数と難易度つきで紹介します。
英語タイトル | 日本語タイトル | 語数(approx.) | 難易度の目安(CEFR) |
---|---|---|---|
Charlie and the Chocolate Factory | チャーリーとチョコレート工場 | 約31,000語 | A2〜B1 |
Matilda | マチルダ | 約40,000語 | B1 |
The BFG | ビッグ・フレンドリー・ジャイアント | 約37,000語 | B1 |
The Witches | 魔女がいっぱい | 約38,000語 | B1 |
Fantastic Mr. Fox | すばらしき父さんギツネ | 約9,800語 | A1〜A2 |
George’s Marvellous Medicine | ジョージの魔法の薬 | 約13,000語 | A2 |
James and the Giant Peach | ジャイアント・ピーチ | 約25,000語 | A2〜B1 |
Esio Trot | イジオ・トロット(←逆さ読み) | 約7,700語 | A1〜A2 |
The Twits | いじわる夫婦 | 約11,000語 | A2 |
Danny, the Champion of the World | 世界チャンピオン | 約45,000語 | B1〜B2 |
補足メモ:
- A1〜A2:中学英語レベル。短くてやさしい表現が多い。
- B1〜B2:高校〜英検2級レベル。内容もやや深くなる。
- 初心者には Fantastic Mr. Fox や The Twits から入るのもおすすめです。
英語で読書を始めるなら、この一冊から!
『チャーリーとチョコレート工場』は、英語の多読を始めたい人にとって理想的な一冊です。語彙もやさしく、ストーリーもわかりやすく、章も短いので、「英語の本、読み切れた!」という成功体験を得やすい作品です。
最初の一冊を読み終えることで、自信がつき、「もっと読んでみよう」という気持ちが自然に湧いてきます。
読み終えたら、英語で短い感想を書いてみるのもおすすめです。
“I didn’t expect the ending!”
“I liked Charlie’s pure heart the most.”
こんな風に、1〜2文でもOK。インプットした英語をアウトプットすることで、語彙や表現がより記憶に残りやすくなります。
何より、この本は「英語で読むって、こんなに楽しいんだ!」という体験をくれる作品です。ウィリー・ウォンカの不思議な工場をのぞいてみれば、きっとあなたも英語の読書が好きになりますよ。
この一冊から、多読の世界への第一歩を踏み出してみませんか?
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