英語多読におすすめの本『Holes』とは?

英語多読のおすすめ本として、よく名前が挙がる一冊に Holes(ホールズ)があります。
この本は、実際にアメリカの小学校でも“夏休みの読書感想文の課題”として使われることがあり、現地でも「良書」として評価されている作品です。

物語の面白さだけでなく、英語学習者にとっても読みやすく、多読に最適な要素がたくさん詰まっています。
今回は、そんな多読向けにおすすめしたい児童文学 Holes の魅力について紹介していきます。

Table of Contents

Holesってどんな本?

Holes』は、アメリカの作家 Louis Sachar(ルイス・サッカー)によって書かれた児童文学で、1998年に出版されました。少年向けの冒険ミステリーでありながら、大人が読んでも引き込まれる深いテーマと構成が魅力の一冊です。

物語の主人公は Stanley Yelnats(スタンリー・イェルナッツ)という少年。彼はある事件で無実の罪を着せられ、キャンプ・グリーン・レイクという少年更生施設に送られます。そこで彼に課されたのは、毎日「穴を掘ること」。
なぜ穴を掘るのか、何の目的なのかは説明されず、物語が進むにつれて少しずつその秘密が明らかになっていきます。

現代のストーリーと過去の出来事が交互に語られ、最終的にそれらが一本の線でつながっていく構成は、多読にありがちな「途中で飽きてしまう」という心配を忘れさせてくれます。

Holesが英語多読に向いている理由

やさしい英語で書かれている

『Holes』は、英語学習者にとって非常に読みやすい構成になっています。
文章の文法や語彙は比較的シンプルで、英検準2級〜2級、TOEIC500〜650あたりのレベルの方にちょうどよい難易度です。1文1文が短く、テンポよく読み進められるのも大きな魅力です。

多読をするときに多くの人が悩むのが、「難しい単語が多くて進まない」という壁。
表現が豊かな本ほど、語彙も豊富になりがちで、英語学習者には少しハードルが高く感じられることもあります。

その点『Holes』は、比較的やさしい単語を中心に使いながらも、読者を物語の世界へ自然と引き込んでくれます。
派手な言葉を使わなくても、ここまで面白いストーリーが書けるのか!と思わせてくれる一冊で、初めての洋書としても自信をもっておすすめできます。

楽しんで読めることが多読の第一歩

英語多読でいちばん大切なのは、「楽しんで読むこと」です。
どれだけ英語がやさしくても、内容が退屈だと最後まで読み切るのは難しくなりますよね。

その点『Holes』は、ミステリー、友情、冒険といった魅力的な要素がバランスよく詰め込まれていて、物語にぐいぐい引き込まれていきます。中だるみがなく、自然と「先が気になる」と思えるストーリー展開は、多読初心者にとってとても心強いポイントです。

また、この本は読後感の満足度が非常に高いのも特徴。
伏線が丁寧に張られており、読み終えたあとに「もう一度読み返したい!」と思える構成になっています。実際、私自身もあとから再読し、「あのシーンはここにつながっていたのか!」と気づいて、改めて物語の完成度の高さに驚きました。

繰り返し読むことで、ストーリー理解も深まり、語彙や表現も自然と定着していく。
そういう意味でも、『Holes』は英語多読にぴったりの一冊だと思います。

映画版もあるから、楽しみながら復習できる!

『Holes』は2003年にディズニーによって映画化されており、原作の魅力をそのままに映像で楽しむことができます。
本を読み終えたあとに映画を観ることで、ストーリーを英語で復習したり、英語字幕でリスニング練習をしたりと、さまざまな角度から学びを深めることができます。

英語学習において「継続」はとても大切ですが、映画という“ごほうび”があることで、読書を最後まで頑張ろうというモチベーションにもなります。
しかも、映画と原作をセットで味わえば、楽しさは二倍!自然と繰り返し英語に触れる機会も増えます。

映画化されている作品は、英語学習者にとって非常にありがたい存在です。『Holes』はその代表的な一例と言えるでしょう。

多読として効果的な読み方のコツ

辞書は“使いすぎない”のがコツ

多読の基本は、「わからない単語があっても止まらないこと」。
Holes は、文脈から意味を推測しやすい表現が多く、辞書に頼らずにスムーズに読み進められる構成になっています。

とはいえ、「辞書を使わないで読む」というのは、実際にはなかなかハードルが高いもの。
だからこそ、ここで大事なのは「辞書を“使いすぎない”」というスタンスです。

気になる単語があったときに、いちいち立ち止まって調べすぎてしまうと、物語のテンポが途切れてしまい、読むのが楽しくなくなってしまいます。
つまり、「理解の流れを止めてしまうほど頻繁に辞書を引かないこと」が、多読の継続につながるポイントです。

もちろん、どうしても気になる単語があれば辞書を使ってもOKです。でも、それがストレスややる気の低下につながってしまっては本末転倒。
その点『Holes』は、語彙の難易度がちょうどよく、多くの場合、前後の文脈から意味を推測しやすいので、辞書を開かなくても物語を理解していくことができます。

“辞書を使わなくても読める”という小さな成功体験が、英語学習への自信につながります。

毎日少しずつ読む習慣をつけよう

英語の多読は、「毎日少しずつ続けること」が成功のカギ。
たとえば、1日10〜15ページを目安に、自分の生活に合ったペースで読む時間を決めると、無理なく継続できます。

『Holes』はストーリーが面白く、自然と物語に引き込まれていくので、「もうちょっとだけ読みたい!」という気持ちが生まれやすい本です。

とはいえ、「毎日10ページだと1か月近くかかるし、途中で飽きちゃうかも…」と不安に思う方もいるかもしれません。
でも大丈夫。私自身の経験として、最初はなかなか読み進められなかったのですが、少しずつ英語の文体や語り口に慣れていき、徐々に読むスピードも上がっていきました。

気づけば後半では1日に50ページ以上読んでいることもあって、自分でも驚いたほどです。
最初はゆっくりでOK。気長に構えて、自分のペースを大事にして読み進めていくことが、長く続けるコツだと思います。

読み終えたら、英語で感想を書いてみよう

『Holes』を読み終えたら、ぜひ英語で一言でも感想を書いてみてください。
インプットした表現を自分の言葉としてアウトプットすることで、語彙やフレーズが記憶に残りやすくなります。

たとえばこんな感じでOKです:

“I didn’t expect that twist!”(あの展開は予想外だった!)
“I liked Zero’s character the most.”(ゼロのキャラが一番好きだった)

難しく考える必要はありません。最初は本当に一言でも大丈夫です。
これはあくまでも“プラスアルファ”の学習方法として、余裕があるときに取り入れるくらいの気持ちでOK。

最近はAIが英文を添削してくれる便利なツールもたくさんあります。
「とりあえず思いつくままに書いて、あとでAIに直してもらう」という気楽なスタンスでやってみると、意外と楽しく続けられるかもしれませんよ。


Holesをもっと楽しむ方法

  • 映画版を観て復習する
     2003年公開の映画『Holes』は、原作にかなり忠実な内容。英語字幕で観れば、リスニング力アップにも役立ちます。
     主演は若き日の Shia LaBeouf(シャイア・ラブーフ)で、原作の雰囲気をよく再現しています。
  • オーディオブックと一緒に読む
     Kindle 版と Audible を組み合わせれば、目と耳の両方で英語に触れることができます。通勤中や家事の合間に“ながら学習”も可能です。

まとめ:『Holes』は多読のはじめにぴったりの一冊

『Holes』は、英語多読初心者にとって理想的なスタートブックです。
やさしい英語で書かれていながら、ストーリーは奥深く、ページをめくる手が止まらなくなるほど引き込まれます。読んでいるうちに自然と語彙力や読解力が身についていく――そんな理想的な読書体験ができる一冊です。

実は私自身、この本を何度も読み返してきました。英語のレベルが少しずつ上がるたびに、以前は気づかなかった表現や伏線にハッとさせられることがあり、「読むたびに発見がある本」だと実感しています。

「英語多読、まずはどの本から?」と迷っている方には、自信をもっておすすめします。
きっと、長く付き合える一冊になるはずです。

ぜひ、あなたも『Holes』の世界に飛び込んで、英語多読の第一歩を踏み出してみてください!

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