英単語には「どう見ても名詞にしか見えないのに、実は動詞」という語がいくつもあります。
特に英語学習者にとっては、スペルや語感から意味を誤解しやすく、試験や英会話で「えっ、それ動詞だったの?」と戸惑うことも。
この記事では、動詞以外の用法がまれな“ほぼ動詞専用”の英単語10語を厳選し、意味・代表的なコロケーション・勘違いしやすいポイントを一覧表でまとめました。
実例一覧:コロケーション・用法・間違えやすさ付き!
以下の図をご覧ください👇
10語すべて「動詞以外の用法がまれ」で、“語形に惑わされやすい”ものを厳選しました。
単語 | 意味(動詞) | コロケーション例 | 動詞以外の用法 | 勘違いされやすいポイント |
---|---|---|---|---|
apportion | 割り当てる | apportion blame(責任を割り当てる) | ❌ なし | proportion の仲間に見えて名詞と思われがち |
augment | 増やす、拡張する | augment resources(資源を増強する) | △ ごくまれに名詞(軍事用語) | argument と混同されがち/名詞に見える |
comply | 従う、順守する | comply with regulations(規則に従う) | ❌ なし | company や complex と混ざって意味がぼやけがち |
dally | もてあそぶ、ぐずぐずする | dally with danger(危険を甘く見る) | ❌ なし | daily のスペルミス?と思われることがある |
disable | 無効にする、機能を奪う | disable a feature(機能を無効にする) | △ 形容詞的用法あり(disabled) | 名詞・形容詞っぽい見た目(例:disabled access) |
enable | ~を可能にする | enable users to access(~を可能にする) | △ 形容詞的用法あり(enabled) | “〇〇-enabled”な形容詞っぽく見える |
envision | 想像する、心に描く | envision success(成功を思い描く) | ❌ なし | vision(名詞)と混同して品詞が分かりにくい |
falter | ためらう、よろめく、弱まる | falter in speech(声が詰まる) | ❌ なし | filter や alter と誤認されやすい |
foment | 扇動する、あおる | foment unrest(不安を煽る) | ❌ なし | foam とスペルが似ていて混同されやすい |
waive | 放棄する、免除する | waive a fee(手数料を免除する) | ❌ なし | wave(波)と同じ発音・似た綴りで混同しやすい |
ネイティブでも“見た目でなんとなく判断”している
こうした単語は、ネイティブスピーカーであっても「動詞にしか使っていない」ことを意識していないことが多く、語感で判断しています。逆に言えば、語感を鍛えることで品詞の判断も直感的にできるようになるということです。
語彙強化にも、語感トレーニングにも効果的!
今回紹介した10語は、すべて「動詞以外の用法がほとんど存在せず」「見た目が名詞・形容詞っぽい」という特徴を持っています。
このような単語を覚えておくことで、以下のような効果が期待できます:
- 英文読解時に品詞判断ミスが減る
- ライティングやスピーキングで語彙が洗練される
- 見た目に騙されず、“意味で理解する”力が養われる
英文コロケーションで使い方をイメージしよう
「この単語、本当に動詞として使われるの?」と思うような語も、実際に英文に入れるとしっくりくるものです。
ここでは、今回紹介した10語から代表的なコロケーションを用いた例文を挙げてみましょう。
例文一覧(英文+和訳)
単語 | 英文コロケーション例 | 和訳例 |
---|---|---|
comply | You must comply with safety regulations. | 安全規則に従わなければなりません。 |
foment | The speech fomented social unrest. | その演説は社会的不安を煽った。 |
envision | She envisions herself working abroad. | 彼女は自分が海外で働く姿を思い描いている。 |
apportion | The judge apportioned the blame equally. | 裁判官は責任を平等に割り当てた。 |
waive | The university waived the application fee. | 大学は出願料を免除した。 |
augment | The company aims to augment its market share. | その会社は市場シェアの拡大を目指している。 |
dally | Don’t dally — we’re already late! | ぐずぐずしないで。もう遅れてるんだから! |
disable | The software update accidentally disabled Bluetooth. | ソフトの更新で誤ってBluetoothが無効になった。 |
enable | This setting enables users to customize notifications. | この設定により通知のカスタマイズが可能になる。 |
falter | His voice faltered as he spoke about the past. | 過去について話すとき、彼の声は震えていた。 |
よくある勘違いと見分け方のヒント
英単語の品詞を見誤る原因はさまざまですが、特に次のような「見た目の印象」に引っ張られて判断ミスをするケースが多くあります。
以下の表では、よくある誤解のパターンと、それを見分けるための具体的なポイントをまとめました。
勘違いタイプ | 見分けるコツ |
---|---|
名詞にしか見えない(例:pocket) | 文中で主語の後に直接来ていたら動詞かも?/前置詞の有無に注目 |
発音が他の語と同じ(例:waive) | 文脈で判断+スペル確認。「wave」と音が同じでも意味はまったく違う |
形容詞・副詞っぽく見える(例:enable) | “〇〇-enabled”は形容詞的使い方に見えるが、本来は動詞の過去分詞 |
名詞由来に見えてしまう(例:envision) | 「vision(視覚)」と混同しがちだが、動詞は主語+動詞構文で出てくることに注目 |
接頭辞付きで語幹が動詞に見えない(例:foment) | foam や ferment に似ていて意味が想像しにくいが、コロケーションで確認が有効 |
スペルが一般語と似ている(例:dally) | “daily”と混同されがち。意味の違い・辞書確認で確実に見極めよう |
まとめ:見た目に惑わされず、本質で語を捉えるクセをつけよう
英語には、語形と品詞が一致しない単語が数多くあります。
とくに本記事で紹介したような、名詞や形容詞のように見えて、実は動詞専用の語は、知らないと品詞の判断を誤ってしまいがちです。
今回の10語を知っておくことで得られること
- 英文読解での誤読が減り、文構造の理解が深まる
- 英作文やスピーキングで「動詞らしくない動詞」を自信をもって使えるようになる
- 語形に左右されず、“意味”と“使い方”で語を捉えるトレーニングになる
学習に活かすコツ
今回紹介した10語は、Ankiや単語帳アプリに登録して、「動詞なのに見た目が紛らわしい語」カテゴリとしてまとめておくと効果的です。
さらに、それぞれの コロケーション・例文・間違えやすいポイント もセットで記録しておくことで、定着率が一段と上がります。
絞り込み機能もぜひ使ってみてください!
この記事で紹介した語は、当ブログの「英単語絞り込み検索」でも検索可能です。
「動詞専用」「使用頻度」「感情語」「試験レベル」など、複数条件で絞り込むことができるので、自分に合った語彙強化ができます。
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