「overtakeは車を『追い越す』ときだけ使う?」「passとの違いは?」と迷っていませんか。overtakeの中心イメージは、後ろから追いついて前に出ること。順位や売上で相手を上回るほか、受動態では「感情に襲われる」という意味にもなります。本記事では、overtake–overtook–overtakenの活用、頻出構文、pass・surpass・outstrip・exceedとの使い分けを、ニュースやMarioのレースの例文とともに分かりやすく整理します。
まず結論:overtakeは「追い越す」だけではない
overtakeの中心イメージは、「後ろから追いつき、相手より前に出る」ことです。主に次の3つの場面で使われます。
- 人や車を物理的に追い越す
- A truck overtook us.
「トラックが私たちを追い越した」 - 順位や競争で相手を上回る
- The company overtook its main rival in sales.
「その会社は売上で最大のライバルを追い抜いた」
この用法では、単に数値が大きいだけでなく、以前は後ろだった側が追いついて逆転したという変化が意識されます。
- 感情などに襲われる・のみ込まれる
- She was overtaken by fear.
「彼女は恐怖に襲われた」
この意味では、主に be overtaken by+感情 という受動態で使われます。
なお、車の追い越しについては、日常的なアメリカ英語ではpassのほうが自然なことがよくあります。
- I passed a slow car.
「遅い車を追い越した」
一方、overtakeはレースや競争、順位の入れ替わりを意識させやすい表現です。そのため、道路上の追い越しだけでなく、企業の売上や国の人口、選手の順位などを扱うニュースやゲームでもよく使われます。
overtakeの活用形と基本構文
overtakeは不規則動詞です。過去形と過去分詞形を混同しないよう、3つをセットで覚えましょう。
| 原形 | 過去形 | 過去分詞形 |
|---|---|---|
| overtake | overtook | overtaken |
そのほかの活用形は次のとおりです。
- 三人称単数現在:overtakes
- 現在分詞・動名詞:overtaking
The cyclist overtook a bus.
その自転車の選手はバスを追い越しました。Our team has overtaken its main rival.
私たちのチームは最大のライバルを追い抜きました。
特に、過去分詞の overtaken は、has overtakenのような完了形だけでなく、was overtakenのような受動態でも使われます。
overtakeは目的語を直接取る他動詞
overtakeは、追い越す相手を直後に置く他動詞です。基本構文は次のようになります。
overtake+人・車・競争相手
- overtake a car:車を追い越す
- overtake the runner:そのランナーを追い越す
- overtake the leader:先頭の選手を追い抜く
- overtake a rival:ライバルを追い越す・上回る
She overtook the leader near the finish line.
彼女はゴール付近で先頭の選手を追い抜きました。
「相手を追い越す」と言うとき、目的語の前にtoやwithは付けません。
- ○ He overtook the car.
- × He overtook to the car.
- × He overtook with the car.
日本語の「車に追いついて追い越す」などにつられず、overtakeの直後に追い越す対象を置くと覚えるのがポイントです。
人や車を追い越すときのovertake
物理的な意味の overtake は、道路やレースなどで、同じ方向へ進んでいる相手に後ろから追いつき、その前へ出る場面で使います。
The red car overtook us just before the tunnel.
赤い車はトンネルの直前で私たちを追い越しました。She overtook two runners near the finish line.
彼女はゴール付近で2人のランナーを追い抜きました。
車だけでなく、自転車、ランニング、モータースポーツなどにも使えます。特にレースでは、実際に順位が入れ替わることをはっきり表せます。
The driver overtook his rival on the last corner.
そのドライバーは最終コーナーでライバルを抜きました。
イギリス英語ではovertake、日常的なアメリカ英語ではpass
イギリス英語では、道路上で車を追い越す場合にも overtake が一般的です。
A truck overtook me on the motorway.
高速道路でトラックが私を追い越しました。
一方、日常的なアメリカ英語では、同じ場面で pass を使うほうが自然なことが多いです。
A truck passed me on the highway.
高速道路でトラックが私を追い越しました。
ただし、アメリカ英語でも、カーレースなどで競争や順位の入れ替わりを強調する場合には overtake が使われます。使い分けの目安は次のとおりです。
- 日常の運転について米語で話す:pass a car
- 英国の道路交通について話す:overtake a car
- レースで追いついて前に出ることを強調する:overtake a rival
道路関係では overtaking lane(追い越し車線)という表現もあります。これは主にイギリス英語で使われ、アメリカ英語では通常 passing lane といいます。
順位や競争で相手を上回るovertake
overtakeは、企業・国・選手などが競争相手に追いつき、順位や数値で逆転する場面にも使います。比較されるのは、売上・人口・市場シェア・ランキングなどです。
The company overtook its biggest rival in market share last year.
その会社は昨年、市場シェアで最大のライバルを抜きました。Electric vehicle sales overtook diesel car sales in the region.
その地域では、電気自動車の売上がディーゼル車の売上を上回りました。
重要なのは、単に「現在の数値が大きい」という事実ではなく、以前は後ろだった側が追いついて逆転したという変化です。
たとえば、A社の売上が以前からずっとB社より多いなら、通常は次のように現在の比較を述べます。
Company A has higher sales than Company B.
A社はB社より売上が多いです。
一方、以前はB社のほうが上だったものの、今年A社が逆転したなら、overtakeが適切です。
Company A overtook Company B in annual sales this year.
今年、A社は年間売上でB社を抜きました。
overtake A as Bの読み方
ニュース英語では、次の構文がよく使われます。
overtake A as B:Aを抜いてBの地位に就く
ここでのBは、獲得した地位・順位・役割を示します。
China overtook Japan as the world’s second-largest economy.
中国は日本を抜き、世界第2位の経済大国になりました。
この文は、次のように分けると理解しやすくなります。
- China:逆転した主体
- overtook Japan:日本を追い抜いた
- as the world’s second-largest economy:世界第2位の経済大国という地位で
したがって、「世界第2位の経済大国として日本を追い越した」と直訳するより、「日本を抜いて世界第2位になった」と捉えるほうが自然です。
India overtook China as the world’s most populous country.
インドは中国を抜き、世界で最も人口の多い国になりました。
このように、順位の入れ替わりや首位・第2位などの地位の変化がある場合、overtake A as Bが特に有効です。
be overtaken byの2つの読み方
be overtaken by+名詞は、byの後ろに競争相手が来るか、感情が来るかで意味が変わります。
| byの後ろに来るもの | 意味 |
|---|---|
| 国・企業・選手などの競争相手 | ~に追い越される、上回られる |
| sadness・fearなどの感情 | ~に襲われる、のみ込まれる |
1.競争相手なら「~に追い越される」
by Chinaのように、国・企業・選手などが続く場合は、順位や競争で相手に抜かれたという意味です。
Japan was overtaken by China as the world’s second-largest economy.
日本は中国に抜かれ、世界第2位の経済大国の座を明け渡しました。The company was overtaken by its main competitor in market share.
その会社は市場シェアで最大の競合企業に追い越されました。
この場合のbyは、「誰に追い越されたのか」を示しています。
2.感情なら「~に襲われる・のみ込まれる」
by sadnessのように感情が続く場合は、物理的に追い越されるのではなく、その感情が急に強まり、人を支配することを表します。
She was suddenly overtaken by sadness.
彼女は突然、悲しみに襲われました。He was overtaken by panic when he realized the door was locked.
ドアに鍵がかかっていると気づき、彼はパニックに襲われました。
この用法でよく使われる名詞には、次のようなものがあります。
- fear:恐怖
- grief:深い悲しみ
- emotion:強い感情
- panic:パニック
Overtaken by grief, she could not speak.
深い悲しみにのみ込まれ、彼女は話すことができませんでした。
したがって、be overtaken byを見たら、まずby以下が競争相手なのか、感情なのかを確認しましょう。競争相手なら「追い越される・上回られる」、感情なら「襲われる・のみ込まれる」と判断できます。
pass・surpass・outstrip・exceedとの使い分け
「何を、どのように上回るのか」で動詞を選びます。
| 動詞 | 選ぶ基準 | よく使う対象 | 例文 |
|---|---|---|---|
| overtake | 後ろから追いついて逆転する | 車、選手、企業、国、順位 | Company A overtook Company B in market share. |
| pass | 人や車の前を通過する | 車、自転車、走者 | A truck passed us on the highway. |
| surpass | 能力・品質・成果などで上回る | 実績、品質、期待、競争相手 | Her performance surpassed our expectations. |
| outstrip | 成長率や実績などで上回る、またはより速く伸びる | 需要、供給、成長、競争相手 | Demand has outstripped supply. |
| exceed | 数値・上限・基準を超える | 制限、予算、予想、数量 | The cost exceeded our budget. |
pass:人や車の前を通過する
passは「前を通過する」という意味が広く、特にアメリカ英語で車を追い越す場合に自然です。
A red car passed me on the left.
赤い車が左側から私を追い越した。
競争で順位が逆転したことを強く示したいならovertake、道路上で車の前に出たことを日常的に述べるならpass、という使い分けができます。
surpass:能力・品質・成果で上回る
surpassは、能力や品質、実績などが比較対象より優れていることを表します。車を物理的に追い越す場面には通常使いません。
This year’s sales surpassed last year’s record.
今年の売上は昨年の記録を上回った。
overtakeが「順位の逆転」に注目するのに対し、surpassは「比較した結果、より優れている・高い」ことに注目します。
outstrip:成長率や実績などで上回る
outstripは、成長率や実績などで比較対象を上回ることや、相手より速いペースで伸びることを表します。ニュースやビジネス文脈でよく見られ、文脈によっては相手を引き離すニュアンスもあります。ただし、常に大差がある、または差が広がり続けているとは限りません。
The company’s growth outstripped that of its competitors.
その会社の成長は競合他社の成長を上回った。Demand is outstripping supply.
需要が供給を上回っている。
overtakeが以前は後ろだった相手との逆転を表しやすいのに対し、outstripは成長の速さや実績の差に注目する表現です。
exceed:数値・上限・基準を超える
exceedは、制限や予算、基準、予想などのラインを超えるときに使います。
Do not exceed the speed limit.
制限速度を超えないでください。The final cost exceeded our estimate.
最終的な費用は見積もりを超えた。
exceedには、以前は後ろだった相手に追いついて逆転するという意味はありません。比較対象というより、基準となる数値やラインを超えたことを示します。
迷ったときは、次の基準で判断しましょう。
- 後ろから追いついて相手と逆転した → overtake
- 人や車の前を通過した → pass
- 能力・品質・成果がより優れている → surpass
- 成長率や実績で上回る、またはより速く伸びる → outstrip
- 数値・上限・基準を超えた → exceed
Marioのレースで分かる自然な使い方
Marioが2位、Luigiが1位で最終ラップに入ったとします。後ろにいたMarioがLuigiに追いつき、前へ出たなら、次のように表現できます。
Mario overtook Luigi on the final lap.
Marioは最終ラップでLuigiを追い越した。
この文は、単にMarioのほうが速かったのではなく、実際に2人の順位が入れ替わったことを示します。
追い越した結果、Marioが1位になったことまで伝えるなら、次の形が自然です。
Mario overtook Luigi to take first place.
MarioはLuigiを追い越して1位になった。
to take first placeによって、「追い越した結果、首位に立った」という順位変化が明確になります。
反対に、MarioがPeachに抜かれた場面では、Marioを主語にして受動態を使えます。
Mario was overtaken by Peach on the final lap.
Marioは最終ラップでPeachに追い越された。
たとえばMarioが2位、Peachが3位だったなら、この追い越しによってPeachが2位、Marioが3位になります。was overtaken by Peachは、Marioの視点から順位の逆転を述べる表現です。
実況とレース後の説明では、時制や形を使い分けます。
- Mario is overtaking Luigi now.
Marioが今、Luigiを追い越しているところだ。 - Mario has overtaken Luigi!
MarioがLuigiを追い越した! - Mario overtook Luigi on the final lap.
Marioは最終ラップでLuigiを追い越した。
is overtakingは追い越しの動作が進行中であることを表すため、Marioが完全に前へ出て順位の逆転が完了したとはまだ限りません。追い越しが完了したことを実況で伝えるなら、has overtakenを使えます。
一方、まだ追い越しの動作に入っておらず、「追い越そうとしている」と言いたい場合は、try to overtakeを使います。
Mario is trying to overtake Luigi.
MarioはLuigiを追い越そうとしている。
なお、次の2文は意味が異なります。
Mario is faster than Luigi.
MarioはLuigiより速い。Mario overtook Luigi.
MarioはLuigiを追い越した。
is faster thanは速さを比較しているだけで、レース中に順位が入れ替わったとは限りません。overtookを使うと、Marioが後ろから追いつき、実際にLuigiの前へ出たことが伝わります。
over+takeから考える意味と語源上の注意
学習上は、overtake = over+take と分けて、次のようにイメージすると覚えやすくなります。
相手に追いつき、その位置を越えて先へ出る
ここでの over は「越えて」、take は「捉える・追いつく」と考えるとよいでしょう。このイメージから、物理的な追い越しだけでなく、企業や選手が競争相手に追いついて上回る用法にも自然につながります。
一方、感情について使う be overtaken by fear などは、恐怖のような強い力が人に追いつき、その人を支配する方向へ意味が広がったものとして捉えられます。ただし、現在の意味を構成要素から一語ずつ直訳できるわけではありません。「恐怖に襲われる・のみ込まれる」というまとまりで理解するのが自然です。
語史については、信頼できる英語辞典・語源辞典で、中英語の overtaken と over+take という構成が確認できます。ただし、take という単語に古ノルド語との歴史的関係があることだけを根拠に、overtake全体が古ノルド語から直接入ったと断定するのは不正確です。
英語学習では細かな語源説に頼りすぎず、まずは次の流れを押さえれば十分です。
追いつく → 境界を越える → 相手より前に出る
この動きが、実際の追い越しや競争上の逆転という意味の土台になっています。
まとめ
overtakeの中心イメージは「後ろから追いつき、相手より前に出る」です。このイメージから、車や選手を物理的に追い越す、競争相手との順位を逆転する、受動態で感情に襲われる、という3つの用法を理解できます。
- 活用形は overtake–overtook–overtaken
- 他動詞なので、overtake a carのように対象を直接置く
- be overtaken by+競争相手は「~に追い越される」
- be overtaken by+感情は「~に襲われる」
表現選びでは、逆転を意識するならovertake、日常的な米語で車を追い越すならpassが基本です。能力や成果ならsurpass、成長や実績の差ならoutstrip、数値や基準を超えるならexceedを選びましょう。単に上回っているのか、それとも後ろから追いついて逆転したのかを考えることが、適切な動詞を選ぶポイントです。
