2025年6月現在、ニューヨークでランチを買うなら、マンハッタンで14ドル、郊外で10ドルくらいが普通かなと感じています。月に直すと200〜300ドル。もちろんテイクアウト前提で、日本のように店内で座って食べるとなれば、ここにチップが乗ってきます。
アメリカに住んでいると、いつも頭の片隅に「チップ」の存在があるので、ランチのためだけに店内利用するのは正直あまり現実的ではありません。あと、飲み物も意外と高いので、水はオフィスで調達するのが日常です。
そんなわけで、アメリカで働いたり留学したりすると、毎日のランチ代がじわじわ効いてくるものだと実感します。
じゃあ実際、「どれくらいかかるのか?」、「どうやって節約できるのか?」。
今回はこのあたりを整理しつつ、アメリカでのランチ事情を掘り下げていきます。な食生活をしているのか、そして実際にかかる費用感について、自分の経験をもとに紹介してみたいと思います。
アメリカのランチ代相場
アメリカのサラリーマンのランチ、どんなイメージがありますか?

サンドイッチ?ハンバーガー?それともピザ?
私はよく、ビルの近くに止まっているフードトラックでボウルランチ(ライス+肉+野菜)を買ったり、中華系の店に行って弁当、あとはサンドイッチやを頼んだりしています。
価格はだいたい、$12〜15(1,800円〜2,250円)くらい。
人気のある店だと$18くらいすることも。
アメリカでもフードトラックは大人気
日本でも、ビジネス街の道路わきにフードトラックが止まってお弁当を売っている光景を見かけますよね。
実はアメリカでも同じように、オフィス街の路上にフードトラックが並ぶのはごく普通のことです。
むしろアメリカでは、店内で食べるとチップが必要になるため、フードトラックでのランチの方が気軽で一般的かもしれません。
最近はどの店も値上がりしていて、ランチのプレートが$14前後(約2,100円)。
数年前は$12くらいだったのですが、ここ1〜2年で$1〜2ほど上がった印象があります。
日本だとあまりこうした急な値上がりは見かけないので、最初に価格が変わったときは「さすがアメリカだな」と思いました。
オフィスの近くには、6〜7台のフードトラックが常に並んでいて、それぞれ違う料理を提供しています。違う料理というのはメキシカン、中華、ギリシャなどそもそも国籍が異なります。
人気のお店には早めに行かないと行列になるので、タイミングによっては10分ほど並ぶこともあります。
ちなみに、外で食べるときはチップも必要なことがあるので、ランチ1回で2,000円以上かかることも珍しくありません。
日本でいう「日替わり定食ランチ」(800円〜1,000円)と比べると、やはり2倍近い出費感があります。
そのため、節約派は自分でお弁当を持ってくるか、スーパーの冷凍食品を温めて食べる人もいます。
サンドイッチ文化とアメリカの“コンビニ”的存在
アメリカでは、昼ごはんにサンドイッチを食べる人がとても多いです。
代表的なお店のひとつが Potbelly(ポットベリー)。
ここでは、Subwayのようなフランスパン風の長いパンに、肉やチーズ、野菜をたっぷり詰め込んだサンドイッチが提供されます。
ボリュームがあるので、1本でお腹いっぱいになることも。私はアメリカで言う普通のサイズは食べきれないのでSkiny sizeを頼んでいます。その代わりに、スープをオプションで追加しています。
また、日本でいう“コンビニ”のような存在として、“deli(デリ)”と呼ばれるお店が各地にあります。
デリでは、Roll(ロール)と呼ばれる丸いパンに具材を挟んだサンドイッチや、サラダ、スープ、ホットミールなどが販売されていて、ランチタイムになると多くのビジネスパーソンが訪れます。
ちなみに、日本のようなコンビニ(セブンイレブン、ローソン、ファミマなど)も一応アメリカには存在しますが、あまり頻繁には見かけません。
アメリカでは、デリの方が“日常の軽食やランチを買う場所”としては一般的だと思います。
日本だと、セブンなら「おにぎり・スイーツ・PB商品」、ローソンなら「からあげクン」、ファミマなら「ファミチキ」など、それぞれの強みがはっきりしていて、全国どこに行ってもほぼ同じ商品が手に入る安心感があります。
それに対してアメリカのデリは、ほとんどが個人経営の店。
そのため、置いてある商品も、味も、価格もすべてお店次第。
同じ「チキンサンドイッチ」でも、お店によってまったく違うものが出てくるのが、アメリカらしくて面白いところです。
あと日本と違うなと思ったのは細かい注文にも柔軟に対応してくれること。サンドイッチの中身の細かい指定やパンの焼き加減、オプションについてくるソースのブレンドなどもやってくれます。追加料金があるがかならずしもあるわけではないですが、私は細かい注文をした場合はチップで対応しています。
中華系のお店は日本人の味方?
私が個人的によく通っているのが、中華系のお店です。
これは自分が日本人だからというのもあるのかもしれませんが、アメリカにいても中華料理はどこか落ち着く存在なんですよね。日本にいたときよりも中国人に親近感がわくようになってきたので最近は中国語を勉強し始めました。
アメリカにはたくさんの中華系レストランがありますが、お店によって料理のスタイルが大きく違うのが特徴です。
北京風、四川風、台湾風など、同じ“中華”でも味付けや辛さ、メニューの内容がガラッと変わります。
そのため、私はひとつのお店に絞らず、何軒かを月ごとにローテーションして楽しんでいます。
初めの頃は、「なんとなく日本の中華とは違うな…」と違和感がありました。
特に調味料の使い方や油の風味に癖があることもあり、好き嫌いが分かれるかもしれません。
でも、何度か食べるうちに「これはこれでアリかも」と感じるようになって、今ではすっかりお気に入りです。
チップは…なぜか払わない?
中華系のお店では、なぜかチップをあまり払わない雰囲気があります。
もちろん、厳密にはテーブルサービスがあるお店ではチップは必要なはずですが、
カジュアルな店が多いせいか、「払わなくても大丈夫かな」という空気があって、実際に私はほとんど支払っていません。
アメリカではチップ文化が根強いので、こういう例外的な“抜け道”があると、ちょっとほっとします。
ランチ代を節約する方法
自炊派・節約派はお弁当持参が基本
節約上手な人は、やっぱりお弁当を持ってきています。シンプルですが最も強力な方法です。
お米を炊いて冷凍しておけば、現地で「お米難民」にならずに済むし、前日の夜ご飯を少し多めに作っておいて翌日ランチに回す人も多いです。金額で言えば1食あたり$2〜$4(300〜600円)程度に抑えられるので、毎日外で買う場合の1/4程度になります。
アメリカでは電子レンジが置いてあるオフィスが多く、冷凍ご飯やお弁当も温め直して食べられるので、環境的にも続けやすいのが救いです。
テイクアウト・フードトラックをうまく使う
「どうしても毎日お弁当は面倒」という人は、テイクアウトやフードトラックを活用するのが現実的な節約方法です。
アメリカではイートインするとチップが必要ですが、テイクアウトなら基本的に不要か、払うとしても少額です。フードトラックも同じくチップ不要な場合が多いので、その分だけでも$2〜$4節約できます。
また、フードトラックは料理の国籍が豊富(メキシカン、中華、ギリシャ系など)で飽きにくいのがメリット。早めに行けば並ばずに買えるので、時間節約にもなります。
飲み物は基本オフィスで調達
小さいことですが、意外と効きます。
外でランチを買うと、つい飲み物(ソーダやボトルウォーター、アイスコーヒーなど)を一緒に買いたくなりますが、これが地味に高い。**1本で$2〜$4(300〜600円)**するので、月換算で数千円の差が出ます。
アメリカのオフィスはウォーターサーバーや給湯室があるところが多いので、水はオフィスで汲む、コーヒーはオフィスで淹れる、だけでも十分節約になります。
中華系のお店は穴場
私自身よく使っているのが、中華系のお店。
理由はシンプルで、他のランチプレートより比較的安く、ボリュームがあるからです。さらに、なぜかチップを払わなくていい雰囲気のお店が多いので、トータルの出費を抑えられます。
価格感としては$12〜15(約1,800円〜2,250円)で満腹になれるので、近所のサラダショップで$18出すよりもお得感があります。
お店によって味付けが違うので飽きづらく、ローテーションしながら楽しむことも可能です。アメリカで生活していると、中華系のランチは“精神的な癒し”にもなるのが個人的に好きなポイントです。
朝ごはん、どうしてる?
アメリカでは朝ごはんといえばシリアルかベーグル、ドーナツしか選択肢がないんじゃないかと思うくらい、シリアルかベーグル、ドーナツが身の回りにあふれています。よく通勤でビジネス街に到着するとフードトラックが道路沿いに置かれていて、ベーグルやドーナツが販売されています。
また大体オフィスにはシリアルが置かれていて自由に食べることができます。アメリカの会社では一般的だと思います。
こちらに来て少しびっくりしたのは、オフィスではあまり牛乳をかけて食べる人が少ないこと。なぜか確認したことはまだないのですが、もしかしたら食事マナーの観点から控えているのかなと思いました。
私の朝食スタイル
私自身は、会社近くのカフェで朝食を買うことが多いです。よく買うのはクロワッサン($2.5〜4)そしてラテ($5前後+チップ)。ベーグルやドーナツが多いとはいえ、朝ご飯として食べるのはまだ慣れていなく、探して見つけたクロワッサンの売っている店によく行きます。
全部合わせると、朝食だけで1,000〜1,500円くらいになります。円換算すると怖くなりますが、毎日出社しているわけでないので、まあいいかなといった感じです。
チップ文化との距離感
朝食をテイクアウトする場合、基本的にチップは必要ないことが多いです。
ですが、よく顔を合わせる店員さんが対応してくれたときなどは、感謝の気持ちで$1ほどチップを渡すこともあります。こういうところはアメリカらしい文化少し慣れてきたのかなと感じます。
人気の定番「Dunkin’ Donuts」
あと私はあまり行かないのですが、Dunkin Dounatsという日本でいうミスタードーナツみたいな店があります。
朝からお店は大にぎわいで、コーヒーと甘いドーナツのセットが定番のようです。
私にとっては少し甘いので朝ご飯としては抵抗があるのですが、アメリカ人にとっては定番の朝ご飯なのかなと感じています。
カフェ文化とコーヒー代のリアル
アメリカでは、朝だけでなく仕事中にもカフェを利用する人が多いです。特にニューヨークなどの都市部では、ビジネス街にカフェがたくさんあるので、ちょっとした休憩に立ち寄ることもあります。
私も午前中やランチ後にコーヒーを買うことがありますが、円換算すると改めて高いなと感じます。
スターバックスでラテを頼むと、Tallサイズでも$5前後+税+チップで、結局$6〜7(約900〜1,050円くらいになります。
在宅勤務などの時にローカルカフェでコーヒーだけ買っても、$3〜4(約450〜600円)はします。
しかも、最近はどこでも「チップを入力してください」とタブレットで提示されるので、つい15%〜20%をつけてしまいます。前後のお客さんを見ているとチップなしの選択肢を押している方も結構いるので、このついついチップをつけてしまうというのは個人の性格かなと思いました。
日本だとコーヒー一杯が300〜400円なので、感覚的には1.5〜2倍の値段。
毎日買っていたら、月に1万円以上コーヒー代がかかる計算になります。
まとめ:アメリカのランチは“慣れ”と“工夫”がカギ
アメリカでのビジネスランチ事情は、日本と比べて値段も文化もかなり違います。
朝ごはんに出てくるのはシリアル、ベーグル、ドーナツ。
カフェでラテとクロワッサンを買えば、それだけで1,500円近く。
ランチはフードトラックやデリ、サンドイッチチェーンで済ませる人が多く、1食で2,000円を超えることも珍しくありません。
でもその一方で、中華系のお店など比較的リーズナブルで味も馴染みやすい選択肢もあり、うまく組み合わせればコストも抑えられます。
チップ文化や価格変動には驚かされることもありますが、慣れてくると自分に合った“ちょうどいいスタイル”が見つかってきます。
「高いけど美味しい」「不便だけど自由」――といった感覚が今はあります。
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