英語のリスニングを練習していると、だいたい簡単な教材から始めて、少し慣れてきたら「もっと速く聞けるようになろう」と倍速再生を試したくなりますよね。私もそうでした。でも、実際にネイティブ同士の会話を聞いてみると、「全然わからない」という現実にぶつかることが多かったんです。
これ、最初は「自分のリスニング力が足りないだけだ」と思っていたんですが、海外で暮らしているうちに気づいたことがあります。それは、そもそも相手が言葉として話していない部分がめちゃくちゃ多いということ。
例えば、現地の人との会話を録音して、あとで低速再生して何度も確認しても「やっぱりわからない」ことがあります。でもこれ、私の耳が悪いわけではなくて、相手が「雰囲気」や「イントネーション」だけで伝えようとしている部分だから、言葉として存在していないんです。
つまり、どれだけ倍速で訓練しても、再生速度を落として聞き返しても、わからないものはわからない理由がちゃんとある。この現実を踏まえたうえで、「じゃあどうやってリスニング力を上げていけばいいのか?」を考えることが、本当に使える英語力をつけるために大事なことだと思います。
倍速リスニング練習の意義と限界
倍速で英語を聞く練習は、リスニング力を上げるうえで確かに役立ちます。話す内容が速くなることで、頭の中での情報処理速度が上がり、聞き取った英語を素早く解釈できるようになります。これによってリスニング中に余裕が生まれ、一文一文をじっくり考えながら聞く力がつくのは間違いありません。
しかし、ここで一つ注意しておくべき点があります。
それは、倍速リスニングではすべての内容が一律に速くなるということです。
実際の会話は、この逆なんです。ネイティブ同士の会話では、話す速度が上がれば上がるほど、緩急の差がむしろ大きくなる傾向があります。
- 大事なポイントや意思表示 → ゆっくり、はっきり話す
- 雰囲気だけ伝わればいい部分 → 一気にスピードが上がる
つまり、相手は重要なところを確実に伝えるためにゆっくり話し、逆に重要でない部分は一瞬で流してしまうんです。倍速リスニングのように「すべてが速い」状態とは違い、実際の英語は「遅いところと速いところが混ざる」という緩急があります。
私はこの緩急の差こそが倍速リスニングの限界だと考えています。
どれだけ倍速リスニングで速さに慣れても、実際の英会話で起きる「突然のスロー」と「突然の高速」をキャッチし、切り替えながら理解する力がなければ、本当の意味で「聞き取れる状態」にはならないのです。
緩急対応力をどう身につけるか
では、倍速リスニングで速さに慣れるだけでは不十分だとしたら、実際に「緩急対応力」をどうやって鍛えればいいのでしょうか?
私が海外で生活しながら実感したのは、
- 倍速リスニング → 耳を速さに慣らす
- 緩急対応練習 → 相手の速度変化をキャッチする練習
この両方が必要だということです。
倍速リスニングは耳慣らしのために使う
倍速リスニングは「速さに慣れる」ためには非常に有効です。速さに慣れておくことで、通常速度の英語を聞いたときに余裕が生まれ、一文一文を理解する時間が確保できます。
ただしこれはあくまでツールであり目的ではないことを意識してください。目的は「英語を理解すること」であり、「速く聞けるようになること」ではありません。
実践で緩急を体感し、対応できるようにする
実際の英会話では、相手の緩急に合わせて頭を切り替える力が求められます。
- ゆっくり話されているときは、確実に内容を理解して相槌を打つ
- 急にスピードが上がったときは、完璧に聞き取ろうとするのではなく、必要なキーワードだけ拾って流す
この切り替えを身につけるには、実際の会話で場数を踏むのが一番の近道です。
私自身、オンライン英会話で講師の話すスピードが変わったときに「全部聞こう」とするのをやめ、速い部分は単語と雰囲気で流し、遅くなったときだけ集中して聞く練習を繰り返しました。この練習で、以前は会話についていけなかった場面でも、自然に反応できるようになっていきました。
実践練習は「生徒扱いされない関係」でこそ意味がある
倍速リスニングで耳を慣らし、実際の会話で緩急対応力を鍛える――このステップで特に効果を発揮するのがオンライン英会話の活用です。
ただ、この分野に限って言えば、私はBizmatesのようなビジネス英会話特化型よりも、DMM英会話やレアジョブ英会話のような日常会話型のサービスの方が練習に向いていると感じています。
なぜか?
ビジネス英会話は「正確に伝える・丁寧に伝える」ことを重視する分、講師側も比較的はっきり、丁寧に話してくれる傾向があります。これはビジネスシーンでは重要ですが、実際の日常会話の緩急対応力を鍛える練習としては物足りない部分があるのです。
その点、DMM英会話やレアジョブのような日常会話型のオンライン英会話は、
- 会話テーマが自由
- カジュアルな雰囲気になりやすい
- 会話の速度や緩急のばらつきが自然に出やすい
という特徴があります。
ただ、ここで重要なポイントがあります。
相手に「生徒」として扱われ続ける限り、本当の意味で緩急のある会話にはなりません。
「この人はまだ英語学習者だから、ゆっくり、わかりやすく話そう」と思われているうちは、講師側も自然と話すスピードを落とし、不親切なスピードで話す場面を作ってくれません。
この練習をするためには、相手に“生徒”ではなく“友人”や“気楽に話せる仲間”として認識してもらう必要があるのです。
実際、私が海外で感じたのもここでした。関係が深まると相手は遠慮なく早口でジョークを言ったり、急にゆっくり真剣に話したりするようになります。この「いい意味で不親切な緩急」こそが、実践で使えるリスニング力をつける最高の練習環境なのです。
まとめ:倍速練習 × 緩急対応 × “友人会話”で最強のリスニング力に
- 倍速リスニングで耳を慣らす(速さ対応力)
- オンライン英会話で緩急対応力を鍛える(実践力)
- 生徒扱いされず、友人のように会話する関係を築く(自然な緩急での実践)
この3つを意識することで、TOEIC対策や英検対策のためだけではない、「実際に使えるリスニング力」に確実に近づくことができます。
もしこれからオンライン英会話でこの練習を始めるなら、まずはDMM英会話やレアジョブでカジュアルに会話を楽しむことから始めてみてください。話題は何でも構いません。「今日はどんな一日だった?」だけでも十分です。講師との距離感が縮まり、相手が自然体で話してくれるようになったとき、あなたのリスニング力は大きく変わっていきます。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
「倍速リスニング → 実践緩急対応練習」の流れをつくるなら、オンライン英会話を活用するのが最も効率的です。特にこの練習ではDMM英会話やレアジョブのような日常会話型のサービスが最適。
もしまだ試したことがない方は、まずは無料体験レッスンで“友人感覚で話せる講師”を探すことから始めてみてください。講師と気楽に話せる関係を作ることで、「いい意味で不親切な緩急」が自然に生まれ、実戦で使えるリスニング力へと変わっていきます。
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