映画『The Bad Guys』は、スタイリッシュでテンポの良いアニメ映画ですが、実は英語学習者にとっても魅力的な“語彙の宝庫”なんです。
特に、キャラクターの性格や感情に直結するクセのある英単語がたくさん登場します。
これらは教科書やTOEICではあまり見かけないけれど、映画やネイティブのリアルな会話では頻繁に使われる重要語。
この記事では、『The Bad Guys 2』を100%楽しむための語彙復習として、1作目から印象的な“ちょいワル英単語”を【感情別】にまとめました。
怒り・いらだち系英単語
映画『The Bad Guys』では、キャラクターたちが怒りを爆発させたり、不満をぶちまけたりするシーンがたびたび登場します。
ここでは、そのような感情を的確に表す4つの英単語をご紹介します。
clamor(名詞・動詞)
意味: 騒がしい叫び声、やかましい要求/大声で要求する
レベル感: フォーマルやニュースで見かける単語。日常会話では少し硬め。
📘 例文:
After the scandal, the public began to clamor for change.
スキャンダルの後、世間は変革を強く求めるようになった。
🧩 よく使われるコロケーション:
- clamor for justice(正義を求める声)
- clamor of the crowd(群衆のどよめき)
- politicians ignored the clamor(政治家はその声に耳を貸さなかった)
この単語は怒りや不満が“爆発的に声として表れる”ときに使われます。『The Bad Guys』で、群衆や警察、メディアが騒いでいるシーンにぴったりの語です。
fume(動詞/名詞)
意味: (動)怒りでプンプンする、煙を出す/(名)煙、ガス
レベル感: 比喩的に“怒りの煙を立てる”という表現として覚えると印象に残りやすい単語。
📘 例文:
Mr. Wolf was still fuming after the failed heist.
作戦に失敗したあと、ウルフはまだプンプン怒っていた。
🧩 よく使われるコロケーション:
- fume with anger(怒りに満ちる)
- still fuming(まだ怒り心頭である)
- give off fumes(煙やガスを発する)←物理的な意味
口を閉じたまま怒りが「モクモク」しているようなイメージ。静かな怒り、というよりは“我慢してるけど顔に出てる”怒りです。
snarl(動詞/名詞)
意味: (動)うなる、怒って唸る/(名)うなり声、からまり
レベル感: 犬や野獣のうなる声としても、人の怒声としても使われます。怒りと攻撃性を含んだ単語。
📘 例文:
“Stay out of my way!” he snarled.
「邪魔するな!」と彼は怒鳴りつけた。
🧩 よく使われるコロケーション:
- snarl at someone(人に向かって唸る・怒鳴る)
- snarl in response(唸るように答える)
- traffic snarl(交通の大混乱)←比喩的に“からまり”を表す
『The Bad Guys』ではMr. SnakeやMr. Sharkが苛立ったときに、snarlのようなトーンで喋ることも。感情が表情と声に表れる、非常に“音のある”単語です。
spiteful(形容詞)
意味: 意地悪な、悪意のある、他人を傷つけようとする
レベル感: 書き言葉・話し言葉どちらにも登場。直接的な敵意を示す単語。
📘 例文:
That spiteful laugh really hurt his feelings.
あの意地の悪い笑いが、彼の心を傷つけた。
🧩 よく使われるコロケーション:
- spiteful remark(意地悪な発言)
- spiteful tone(悪意のある口調)
- a spiteful grin(にやにやした意地悪な笑み)
“spite” は「悪意」「意地悪」で、“-ful” が付くことで「悪意に満ちた」という形になります。
Mr. Snakeのセリフや態度にこの単語がピッタリの場面が何度かあります。
驚き・恐怖系英単語
映画『The Bad Guys』では、キャラクターたちが思わずたじろいだり、想像を超える出来事にショックを受けたりする場面も描かれます。そんな「驚き」や「恐怖」を表現する英単語を3つ紹介します。
aghast(形容詞)
意味: 驚き・恐怖・ショックで愕然とした、目を見開くほどぎょっとした
レベル感: やや文語的な表現。書き言葉で「感情を一瞬で凍らせるような驚き」に使われます。
📘 例文:
The team was aghast at the villain’s betrayal.
チームは悪党の裏切りに愕然とした。
🧩 よく使われるコロケーション:
- aghast at the sight(その光景に愕然と)
- look aghast(呆然とした表情を浮かべる)
- stand aghast(愕然として立ちすくむ)
🎬 使用のヒント:
Mr. Piranhaが思いがけず何かを見て驚愕するシーンなど、「恐怖+ショック+一時停止」のような状況で使われます。日本語で言えば「言葉を失うほどの驚き」に近いです。
wince(動詞/名詞)
意味: 痛みや恐怖、不快感で顔をしかめる、体を引く/しかめ面
レベル感: 映画・会話・小説など幅広く使われる。動作を描写するのにぴったりな単語。
📘 例文:
He winced as the truth hit him.
真実を突きつけられ、彼は顔をしかめた。
🧩 よく使われるコロケーション:
- wince in pain(痛みで顔をしかめる)
- make someone wince(人をたじろがせる)
- a slight wince(わずかな顔のひきつり)
🎬 使用のヒント:
wince は「怖い!」というよりは、ビクッとする・顔をしかめるという小さな反応を表す語。Mr. Wolf が警察に追い詰められるときなどに見られる“内心の動揺”の動作を想像するとイメージしやすいです。
diabolical(形容詞)
意味: 悪魔のように邪悪な、極悪な、恐ろしく冷酷な
レベル感: 書き言葉・映画・レビューなどでよく見かける。感情を強調したいときにぴったり。
📘 例文:
The villain’s plan was absolutely diabolical.
その悪役の計画はまさに極悪非道だった。
🧩 よく使われるコロケーション:
- diabolical plan(悪魔のような計画)
- diabolical scheme(極悪な陰謀)
- diabolical laugh(悪魔のような高笑い)
- a diabolical mind(冷酷非道な頭脳)
🎬 使用のヒント:
“diabolical” は 「悪のカリスマ」的なキャラや計画にぴったりの語。『The Bad Guys』の敵キャラや、表向き善人ぶって実は黒幕だった存在に使いたい単語です。
ひそやか・怪しい系英単語
『The Bad Guys』のキャラクターたちは、泥棒としてのスキルを駆使して“こっそり”行動したり、何かをたくらんでいたりします。そんなシーンにぴったりな「ひそやか」「不穏」「陰のある」語彙をご紹介します。
dour(形容詞)
意味: 陰気な、厳格な、無愛想な
レベル感: 文語寄りでネイティブでもやや硬めの印象。
特に「笑わない・表情が硬い・堅物」というイメージを持つ単語です。
📘 例文:
The detective had a dour expression throughout the interrogation.
その刑事は取り調べの間、ずっと陰気な表情をしていた。
🧩 よく使われるコロケーション:
- dour expression(厳しい/不機嫌な表情)
- dour personality(陰気な性格)
- dour silence(重く張り詰めた沈黙)
🎬 使用のヒント:
Mr. Wolf が作戦中に真剣な表情で集中している場面などに使える語。どこか“信頼できるけど笑わない人物”を表現するときに登場します。
stealthily(副詞)
意味: こっそりと、ひそかに
レベル感: 動作や行動における「静かな接近」「バレないように」の定番語。
動詞 stealth(こっそり動く)の副詞形で、スパイ映画でも頻出。
📘 例文:
The team moved stealthily through the museum at night.
チームは夜の博物館をこっそりと進んだ。
🧩 よく使われるコロケーション:
- move stealthily(こっそり移動する)
- approach stealthily(ひそかに近づく)
- stealthily observe(こっそり観察する)
🎬 使用のヒント:
『The Bad Guys』で何かを盗みに入るシーン、特に音を立てずに動いている様子にぴったり。Mr. Snake や Mr. Shark の潜入場面に合います。
furrow(名詞/動詞)
意味: (名)畝(うね)、しわ/(動)しわを寄せる、真剣な顔をする
レベル感: 動詞として使うと「眉をひそめる」という表情描写に便利。文学やスクリプトに頻出。
📘 例文:
A deep furrow formed on her forehead as she read the message.
メッセージを読んでいる間、彼女の額には深いしわが寄っていた。
🧩 よく使われるコロケーション:
- furrowed brow(ひそめた眉)
- plow a furrow(畑に畝を立てる)
- deep furrow(深いしわ)
🎬 使用のヒント:
“furrow” は感情よりも「思考」や「集中」「困惑」に近い表情の描写に使います。
Mr. Wolf が警察に囲まれて困っているときの眉の動きなど、表情を描写するのに便利な語です。
思索・内省系英単語
『The Bad Guys』はただの泥棒映画ではありません。
キャラクターたちは次第に「本当に自分は悪なのか?」「善とは何か?」と悩み、迷いながら変化していきます。
そんな内面の動きを言葉にできる、少し繊細で奥深い英単語たちをご紹介します。
pensive(形容詞)
意味: 物思いにふけった、深く考え込んでいる
レベル感: やや文学的・詩的な響きを持つが、日常会話でも感傷的・静かな場面で使用される。
📘 例文:
Mr. Wolf sat by the river, looking pensive.
ウルフは川辺に座り、物思いにふけっていた。
🧩 よく使われるコロケーション:
- pensive silence(沈黙の中の思索)
- pensive gaze(考え込んだような視線)
- look pensive(物思いにふけった表情をしている)
🎬 使用のヒント:
作戦が失敗した後や、善悪の狭間で揺れるキャラクターの心境にぴったりの単語です。物静かながら感情の深みがあるときに使うと効果的。
earnestly(副詞)
意味: 真剣に、心から、熱心に
レベル感: 口語でもよく使われる。「真面目に伝えようとする姿勢」が強調される副詞。
📘 例文:
“I want to change,” he said earnestly.
「変わりたいんだ」と彼は真剣な面持ちで言った。
🧩 よく使われるコロケーション:
- speak earnestly(真剣に話す)
- earnestly hope(心から願う)
- listen earnestly(熱心に耳を傾ける)
🎬 使用のヒント:
Mr. Wolf が自分の気持ちを仲間に伝えようとする場面などに合います。「本音で話す」「心から伝えたい」という姿勢を描くのに最適です。
repress(動詞)
意味: 感情・衝動を抑える、圧し殺す/政治的に抑圧する(文脈により異なる)
レベル感: 感情のコントロールや心理描写でよく使われる。ややフォーマルな響きあり。
📘 例文:
He tried to repress his jealousy when she praised someone else.
彼女が他の誰かを褒めたとき、彼は嫉妬を抑えようとした。
🧩 よく使われるコロケーション:
- repress emotions(感情を抑える)
- repress a smile/laughter(笑いをこらえる)
- politically repress(政治的に抑圧する)
🎬 使用のヒント:
怒りや悲しみ、嫉妬などを“出さずにこらえる”キャラクターに使える単語です。『The Bad Guys』で、仲間への思いを内に秘めるキャラの葛藤にも当てはまります。
まとめ:なぜこの英単語たちを選んだのか?
『The Bad Guys』はアクションとユーモアにあふれた映画でありながら、英語学習の視点からも非常に価値のある作品です。
今回ご紹介した語彙は、以下のような基準で厳選しました。
単語選定のポイント
- 映画『The Bad Guys』のセリフや描写に実際に登場する語彙
→ スクリプト(字幕・台詞)や登場シーンを分析し、キャラクターの感情や行動と密接に関係する語を抽出しました。 - 英語学習者にとってなじみが薄く、教科書ではあまり登場しない単語
→ 頻出度の低い単語や文語的な語も含め、語彙力に深みを加えるものを優先しています。 - 感情や性格、心理描写に使える“記憶に残る”英単語
→ 語感・語彙イメージが鮮明で、キャラの個性と直結して覚えやすいものに絞っています。
もっと探したい人へ:語彙絞り込み検索が便利です!
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絞り込み条件には以下のようなものが設定できます:
- 頻出度(例:10万語中に1回など)
- 感情カテゴリ(怒り/驚き/内省など)
- 品詞や語源、使用シーン
映画や本、ニュースなどから語彙を拾って自分だけの“語彙強化リスト”を作るのにも最適です。
最後に
『The Bad Guys 2』の公開が近づく今だからこそ、語彙の視点から1作目を振り返ることには大きな意味があります。
キャラクターのセリフがもっと聞き取れるようになったり、英語の表現に“深み”が出てきたり。
ただの語彙ではなく、“感情に根ざした英語”を身につけていく感覚を、ぜひ楽しんでみてください。
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